1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01570903
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岡島 英五郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50075115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大園 誠一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00183228)
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00133207)
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Keywords | 腎発癌 / NーethylーNーhydroxyethyl nitrosamine / βーcyclodextrin / イヌ / 腫瘍マ-カ- |
Research Abstract |
本研究の目的は、ラットのrenal carcinogenesisにおけるinitiatorであるNーethy1ーNーhydroxyーethylnitrosamine(EHEN)とpromoterである βーcyclodextrin(βーC)をイヌに投与することにより、ラットと同様の腎発癌モデルの作成が可能であるかを検討することである。 われわれは予備実験で、雌ビ-グル犬にβーCを投与し、ラットと同様の近位尿細管上皮細胞の空胞変性に代表される腎毒性がみられた。また、組織化学的検索ではsuccinic dehydrogenase,βーglucuronidase,glucoseー6ーphosphataseの活性低下を、電顕学的観察ではライソゾ-ムの破壊による空胞形成を認めた。なお、このモデルを腎発癌実験に応用するには βーC0.45g/Kg、7日間連続皮下投与が至適用量であることも確認した。 本実験は、雌ビ-グル犬(体重8ー10Kg)7頭を以下の5群に分けた。 第1群:2頭にEHEN 300mgを14日間連続経口投与を行い、次いでβーC 0.45g/Kgを7日間連続皮下投与する群。 第2群:2頭にEHEN 150mgを14日間連続経口投与を行い、次いでβーC 0.45g/Kgを7日間連続皮下投与する群。 第3群:1頭にEHEN 300mgを14日間連続経口投与のみ行う群。 第4群:1頭にEHEN 150mgを14日間連続経口投与のみ行う群。 第5群:1頭を無処置で14日間観察し、次いでβーC 0.45g/Kgを7日間連続皮下投与する群。 平成元年より、本実験を開始し、経時的に超音波検査にて腎の形態を観察しているが、現時点においては腫瘍の発生は認められていない。また、ヒト腎癌の腫瘍マ-カ-も経時的に観察しているが、とくに著明な変化はみられていない。なお、動物における腎癌の腫瘍マ-カ-については、平成2年度にEHEN誘発腎腫瘍ラットを検討し、エリスロポエチンが腫瘍マ-カ-となりうる結果を得た。
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[Publications] Yamaguchi,H.et al.: "Tumor markers in rats with renal tumor induced by NーethylーNーhydroxyethyl nitrosamine" J.Toxicol.Pathol.3. 239-243 (1990)
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[Publications] Tabata,S.et al.: "Induction of nephrosis by βーcyclodextrin in beagles" J.Toxicol.Pathol.(1991)