1990 Fiscal Year Annual Research Report
尿細胞診自動化による膀胱癌マススクリ-ニング法の開発に関する研究
Project/Area Number |
01570907
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Research Institution | School of Medicine, Keio University |
Principal Investigator |
橘 政昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70129526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 修宏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90118977)
実川 正道 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00101957)
田崎 寛 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051268)
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Keywords | 膀胱癌 / DNA / Bromodeoxyuridine / フロ-サイトメトリ- / 尿細胞診自動化 |
Research Abstract |
膀胱癌細胞に対する組織化学的指標としての核DNA解析に更にその精度を高める目的で腫瘍細胞における増殖期細胞の同定としてBromodeoxyーuridine(BrdU)とDNAの同時解析をフロ-サイトメトリ-により行った。5例の良性膀胱上皮粘膜におけるDNAーploidyは全例diploidyであり、BrdU標識率は5.2±1.6%であった。一方、56例の膀胱癌細胞においては、23例がDNAーdiploidyでありそのBrdU標識率は4.4±2.3%であり、他の33例のDNAーaneuploidy腫瘍のBrdU標識率は13.5±8.4%とDNAーaneuploid腫瘍にBrdU標識率の高値が認められた。これを腫瘍の組織学的悪性度別に検討すると、12例のgrade1腫瘍では8例がDNAーdiploidyでありBrdU標識率は5.1±3.4%,grade2腫瘍では15/29例がDNAーaneuploidyで8.9±7.7%のBrdU標識率が得られた。さらに、15例のgrade3腫瘍においては、1例を除きDNAーaneuploidyであり、BrdU標識率は15.2±8.2%と高値が認められた。これらの結果は膀胱癌細胞の同定において、核DNAと共に増殖期細胞の増加が、膀胱癌の悪性度と良好に関連することを示すものと考えられた。この結果を踏まえ、フロ-サイトメトリ-によるDNA/BrdU二重解析を尿中脱落細胞に応用した結果、腫瘍組織と同様の結果が得られ、DNA単独の解析よりより精度(specificity)は向上するものの、感度(sensitivity)が抵下する結果となった。これは、尿中脱落細胞中には白血球、正常尿路上皮等の多くの非腫瘍細胞が混在しており、これら細胞らより腫瘍細胞の異常がマスクされている可能性が示され。本法の尿中脱落細胞に対する適応にさいしては、この点を更に改善する必要性があると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 橘 政昭: "泌尿器系腫瘍におけるフロ-サイトメリ-によるDNA ploidy 解析の意義" 慶應医学. (1991)
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[Publications] Masaaki Tachibara et al: "Quontification of cell kinetic characteristics using flow cytometric measurements of decxyrionucleic acid and bromodeoxyuridine for bladder cancer" J. Urol. (191)
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[Publications] Masaki Tachibana and Hiroshi Tazaki: "Clinical application of flow cytometric deoxyribonucleic acid ploidy analysis in urological cancer" Proceedings of the international Symposium on flow cytometry and image analysis for clinical applications.(1991)
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[Publications] 橘 政昭 他: "膀胱癌診断における flow cytometric DNA histogram,自然尿細胞診,膀胱洗浄液細胞診の比較検討" 日本泌尿器科学会雑誌. 80. 1025-1030 (1989)