1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生のための歯根膜細胞代謝増強因子の選択ならびに細胞生理
Project/Area Number |
01571043
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木下 正彦 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80161537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 弘幸 岡山大学, 歯学部, 助手 (90205609)
清水 秀樹 岡山大学, 歯学部, 助手 (70170983)
野村 慶雄 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50107075)
村山 洋二 岡山大学, 歯学部, 教授 (50029972)
|
Keywords | 歯根膜細胞 / 成長因子 / DNA合成 / コラ-ゲン合成 / アルカリフォスファタ-ゼ活性 / プロスタグランジン |
Research Abstract |
歯周組織の再生を目的として,現在いくつかの試みがなされているが,完全な歯周組織の再生までにはいたっていない。また,歯周組織再生において重要な役割を果たしている歯根膜細胞の機能を増強する因子については全く不明である。そこで,平成元年度に引き続き,歯根膜細胞機能を増強する因子を探すとともに,その因子に対する歯根膜細胞の生理を明らかにすることを目的とした。 〈研究成果〉 1.ペプチド性成長因子の歯根膜細胞機能に及ぼす作用 血小板由来因子,線維芽細胞成長因子,上皮成長因子,インシュリンおよび腫瘍化増殖因子βは歯根膜細胞のDNA合成能を抑制した。血小板由来因子,インシュリンおよび腫瘍化増殖因子βは歯根膜細胞のコラ-ゲン合成能を亢進した。これに対して,線維芽細胞成長因子および上皮成長因子はコラ-ゲン合成能を抑制した。用いた成長因子の中で腫瘍化増殖因子βのみがアルカリフォスファタ-ゼ活性を亢進した。 2.歯根膜細胞のプロスタグランジン合成能に及ぼす成長因子の作用 インタ-ロイキン1はプロスタグランジン合成能を亢進するとともにDNA合成能を抑制した。この抑制作用はプロスタグランジン合成酵素阻害剤を作用させるとなくなった。高速液体クロマトグラフィ-による分析で,インタ-ロイキン1の作用により多数のプロスタグランジンの合成が促進されることが判明した。また,インタ-ロイキン1をプロスタグランジン合成酵素阻害剤存在下に作用させると,歯根膜細胞のDNA合成能は亢進した。以上のことから,成長因子の作用により合成されたプロスタグランジンは歯根膜細胞の機能に抑制的に働く可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)