1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01571069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 貴子 九州大学, 歯学部, 講師 (60128022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 敬一 九州大学, 歯学部, 講師 (10136492)
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Keywords | 加齢変化 / 歯周組織 / コラ-ゲン |
Research Abstract |
生後1、2、3、5、7、10、15、20、30、40、50、60、70、80週齢の雄C3Hマウスの下顎左側第一臼歯の歯根膜組織の加齢にともなう変化について、超微形態を観察するとともに、I型コラ-ゲン、III型コラ-ゲンおよびファイブロネクチンの分布を免疫電顕的に検索した。その結果、以下のような結論を得た。1.歯槽骨は小区間に区切られ基質には直径50ないし70nmの周期性横紋構造を示す線維が密にみとめられ、小腔内には骨細胞が存在した。基質を構成する線維に一致してI型コラ-ゲン、III型コラ-ゲンおよびファイブロネクチンが染色され、これらの染色態度は週齢間で差はなかった。2.歯根膜腔には直径50ないし70nmの周期性横紋構造を示す線維が束状で走行し、この線維に一致してI型コラ-ゲンとIII型コラ-ゲンが均一に染色され、両コラ-ゲンが線維の成分であることが明らかになった。また、ファイブロネクチンは線維の辺縁に分布していたことから、線維束の形成に関与していることが推測された。3.前述の線維束間に直径8nmの周期性横紋構造を示さない細線維群がみられ、この線維に一致してIII型コラ-ゲンが染色された。4.また、前述の線維束間に直径10ないし15nmの周期性横紋構造を示さない細線維群も存在したが、I型コラ-ゲンにもIII型コラ-ゲンにも染色されなかった。5.セメント質基質にも直径50ないし70nmの周期性横紋構造を示す線維が密にみとめられ、この線維に一致してI型コラ-ゲン、III型コラ-ゲンおよびファイブロネクチンが染色され、これらの染色態度は週齢間で差はなかった。5.30週齢以後の接合上皮がセメント質上を根尖側に移動している例では、外側基底膜に一致してファイブロネクチンが密に分布し、上皮の根尖側移動へのファイブロネクチンの関与が示唆された。
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