1989 Fiscal Year Annual Research Report
歯科小手術の体液調節ホルモンに及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
01571084
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福島 和昭 北海道大学, 歯学部附属病院, 教授 (00002361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀倉 更人 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (80214550)
藤沢 俊明 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (30190028)
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Keywords | 歯科小手術 / 心房性ナトリウム利尿ホルモン / バゾプレッシン / R・A-A系ホルモン / ストレス |
Research Abstract |
1:健康成人男性10名を対象に、下顎埋伏智歯抜去時における、体液調節ホルモンの経時的変動を観察した。 1)心房性ナトリウム利尿ホルモン、血漿レニン活性、アルドステロンは、術中経時的変動を示さなかった。 2)バゾプレッシンは、術前と比較して、術中有意な上昇を示した。(なお、本研究に先立ち、ボランティアを対象に、バゾプレッシンの日内変動を観察したが、抜歯施行時と同時刻である午後1時から4時までにおいて、有意な日内変動を認めなかった。) 3)バゾプレッシンの主要な分泌促進因子と言われている血清浸透圧は経時的変動を示さなかった。 4)循環諸量の検討では、心拍出量、収縮期血圧が、術前と比較して、術中有意な上昇を示した。 以上より、歯科小手術、および、そのストレスにより、バゾプレッシンが上昇することが判明した。また、術中の心拍出量、および、収縮期血圧の上昇に、バゾプレッシンによる体液量保持が一因として関与している可能性か示唆された。 2;上記の下顎埋伏智歯抜歯に先立つ局所麻酔施行において、エピネフリン添加リドカインが体液調節ホルモンに及ぼす影響を観察した。 1)心房性ナトリウム利尿ホルモン、血漿レニン活性、アルドステロンは局麻直後において、有意な変動を示さなかった。 2)バゾプレッシンは局麻直後において、有意な上昇を示した。
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