1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型精子不動化抗体特異的抗イディオタイプ抗体の作製と避妊ワクチンへの応用
Project/Area Number |
01571238
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
繁田 実 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80122315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真一郎 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80195784)
辻 芳之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60148658)
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Keywords | 抗イディオタイプ抗体 / 避妊ワクチン / 抗精子抗体 |
Research Abstract |
血清中に精子不動化抗体を含有する不妊患者の抹消血B細胞とマウスミエロ-マ細胞との細胞融合にて得られたハイブリド-マH6-3C4の産生するヒト型精子不動化モノクロ-ナル抗体MabH6-3C4を無血清培地にて培養し、その上清から抗体を精製した。この抗体に^<125>Iをラベルし、ヒト精子を抗原としてRIAを確立した。このRIAを用いて、マウス又はラットで作製したヒト精子不動化モノクロナル抗体との結合競合試験を行なった所精子不動化抗体にはH6-3C4の結合を阻害するもの、即ち同一又は類似したイディオタイプをもつものと、阻害しないもの即ち異なるイディオタイプを持つものとに区別できた。10ケのMabにおける比は7:3でありこのH6-3C4aのイディオタイプの共通性が高いことが明らかになった為、これに対する抗イディオタイプ抗体を作製した。Balblcマウスに精製したH6-3C4を免疫し、抗血清を得た。この抗血清中の抗イディオタイプ活性をH6-3C4に対する直接結合試験及びH6-3C4とヒト精子との結合阻止試験にて調べた所、前者にて血清の10^5希釈まで、後者で10^3希釈まで抗体活性が認められた。この抗血清を正常ヒト血清イムノグロブリンにて2回吸収した後も活性は変化せず又、この吸収血清はH6-3C4も及び、H6-3C4と同一のV_H遺伝子を用いてクラススイッチした抗体En46には反応するが正常ヒトIgM(入)IgG(入)には反応せず、特異抗体の産生が証明できた。さらに、この抗血清はH6-3C4と精子の結合のみでなく、Eu46と精子の結合も特異的に阻害する事から、H6-3C4パラト-プに対する抗体であると考えられた。抗イディオタイプ血清はマウス又はラットのヒト精子不動化抗体(モノクロ-ナル)には反応せず、これらの抗体の精子への結合も阻害しない事から、マウス又はラットの抗体とH6-3C4のパラト-プは異なる事が明らかとなり、さらに不妊患者のそれとも共通性の少ない事が明らかとなった。現在モノクロ-ナル抗イディオタイプ抗体を作製中である。
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