1989 Fiscal Year Annual Research Report
男性ホルモンによる中枢ド-パミン作動性神経機能老化の制御に関する研究
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01571253
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 裕司 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (10012642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 浩之 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助手 (20211104)
松本 欣三 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 講師 (10114654)
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Keywords | 男性ホルモン / 去勢 / ド-パミン神経 / apomorphine |
Research Abstract |
本年度は成熟雄性マウスおよびラットの精巣を摘除し、1〜3カ月後に実験を行って下記のような結果を得た。 I)去勢マウスの行動薬理:(1)去勢後3カ月を経過したマウスの自発運動量をANIMATEにより測定した。apomorphine 3mg/kg腹腔内投与による運動量、立ち上がり行動および動作回数の増加はいずれも去勢群において対照群より大きかった。(2)金網上がり行動派apomorphine 1および3 mg/kg腹腔内投与により有意に増加するが、去勢群において像が著しかった。 II)去勢マウスおよびラットの線条体におけるド-パミンの代謝回転:去勢1カ月後のマウス線条体において、ド-パミンの代謝回転は増加していることが認められた。また、ラットの線条体においてもド-パミンの消費量が高い傾向がみられた。 III)ラット黒質ド-パミン神経細胞の自発性放電:微小電極により記録したド-パミン神経細胞の自発性発火頻度はapomorphineの静脈注射により用量依存的に減少した。成熟ラットにおける上記の反応は去勢によって低濃度側へ平行移動したが、個々の数値は有意なものではなかった。生後約2年の加齢ラットにおいても自発放電頻度に対するapomorphineの抑制作用は去勢によって強まる傾向が認められた。 以上の結果から、去勢によって動物のapomorphineに対する反応性が高まっていること、線条体におけるド-パミンの代謝回転が亢進していることが認められた。これらの生体側の変化の機序については来年度以降さらに検討する予定である。
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