1991 Fiscal Year Annual Research Report
看護教育における人間関係論の教育効果測定に関する研究ー「発言内容分折基準表」の検証ー
Project/Area Number |
01571280
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Research Institution | The Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
稲岡 文昭 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 悦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 兼任講師 (10208580)
樋口 康子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50198991)
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Keywords | 看護教育 / 人間関係 / 効果測定 / 発言内容 / 分析基準表 |
Research Abstract |
看護基礎教育においては、看護の基盤となる人間関係の諸理論を実際に結びつけるための一教育方法として「人間関係論の演習」を設定している。本研究では、その教育効果を測定するために、人間関係のプロセスの変化が最も表現されやすい言語に焦点をあてて、「発言内容分折基準表」を考案し、以下の研究方法により、この基準表の妥当性・信頼性を検証した。まず人間関係論の初学者であるN看護系大学1年生60名を対象として、その10名編成6グル-プの演習過程を第1セッションから第7セッションまでカセットテ-プレコ-ダ-に記録し、デ-タ化した。それらを3名の研究者が「発言内容分析基準表」を用いて分析・考察した。その結果、本研究で対象としたグル-プの演習過程におけるすべての発言内容をもれなく分析することができた。又、発言回数を分析基準表の人間関係の広がりや深まり、他者認知のレベル毎にカウントして、総発言回数に対する各演習毎の発言回数の比率を求めて図表に整理してみると、各演習グル-プの演習における人間材関係のプロセスの変化を視覚的に捉えることができた。そのため、各演習グル-プの特徴の把握やグル-プ間の比較を容易にすることが可能となった。さらに看護の臨床経験が3年以上あるグル-プの演習過程のデ-タを追加して、初学者と同様に分析・考察してみると、発言内容をもれなく分析することができ、初学者との比較においては、看護の臨床経験があるグル-プの方が、人間関係の広がりや深まり、他者認知のレベルがより高いことが認められた。従って、本研究で考案した基準表は、看護基礎教育における人間関係論の一教育方法である「人間関係論の演習」の教育効果を測定する上で有効であり、その妥当性・信頼性が検証されたといえる。
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Research Products
(1 results)