1989 Fiscal Year Annual Research Report
精神科入院時の看護診断における受療行動分析の必要性に関する研究
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01571281
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Research Institution | Jichi Medical School, School of Nursing |
Principal Investigator |
富川 孝子 自治医科大学看護短期大学, 教授 (30155551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 千恵子 自治医科大学, 看護短期大学, 助手 (00206161)
小幡 セイ 自治医科大学, 看護短期大学, 助手 (60194619)
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Keywords | 精神分裂病 / 受療行動 / 看護診断 / 入院医療 / 治癒係数 |
Research Abstract |
精神科の入院医療・看護を、地域社会との関連の中で一貫性ともって行うためには、入院前の受療行動の分析が重要であることは、多くの人が経験的に述べているが、それを実証的に示した研究はまだ行われていない。 本研究の目的は、上記の仮設が正しいとするならば、受療行動の分析結果をふまえた看護方針と、それらを考慮せずにたてた看護方針との間には、地域社会との関連性という点に関して、相違点がある筈であると考え、これを実際の臨床医療・看護デ-タをもとに検証することである。 平成2年2月末までの研究経過と研究実績の概要は次のとおりである。 1.実施計画の順序を変更し、精神分裂病と診断された初回入院ケ-ス120例について、受療行動を特に考慮せずに既に実施された看護の看護方針・看護内容を明らかにする作業を先に実施した。数量的なデ-タ処理はまだ終了していない。必要と考えられるのに計画されていない看護方針は、(1)入院継続が困難な場合に家族に付添を依頼しているが、その家族に対する看護方針(2)服薬を拒否する場合に液剤投与を行っているが、患者が自ら服薬することをめざす看護方針(3)退院後、住居や就職に関する援助の必要性が予測されるが、それに対する看護方針(4)退院後、地域の保健・福祉機関の援助の必要性が予測されるが、それに対する看護方針等々であった。 2.つぎに、受療行動の分析は外来カルテの閲覧時間が限られているので、50%の進展状況である。大学病院の特徴として、紹介ケ-スが多く、外来を経ずに直接、入院するケ-スが多い。したがって、外来カルテがなく、入院カルテの発病後の経過の記録から、受療行動を判断するケ-スが多い。当初、考案した受療行動モデルでは分析できないことがわかり、再度、分析に用いる受療行動モデルを考案中である。
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