1990 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者の教室における音声情報受容のシミュレ-ションビデオの制作に関する研究
Project/Area Number |
01580289
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
大沼 直紀 筑波技術短期大学教育方法開発センター, 教授 (20169022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 保志 筑波技術短期大学教育方法開発センター, 助手 (70212917)
小林 正幸 筑波技術短期大学教育方法開発センター, 助教授 (50215365)
川口 博 筑波技術短期大学教育方法開発センター, 教授 (40152938)
小畑 修一 筑波技術短期大学, 一般教育担当, 教授 (50114054)
中川 辰雄 国立特殊教育総合研究所, 聴覚言語障害教育研究部, 研究員 (00164137)
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Keywords | 聴覚障害学生 / 補聴器 / 聴力検査 / 補聴効果 / 音声のスペクトラムレベル / 難聴者のきこえのシミュレ-ション |
Research Abstract |
1)補聴器を装用した状態では音声がどの程度聞こえるのか、筑波技術短期大学に存学する50名の聴覚障害学生について、以下の検査を実施し、聴覚の補償の実態を把握する資料を収集した。 1)聴力検査ー裸耳の聴力の損失のレベルを測定し、50名の学生の両方の耳のオ-ジオグラムを作成した。 2)補聴効果の測定ー補聴器を装用した状態でこの聞こえのレベルを測定し、50名の学生の補聴器を装用した耳の補聴器装用時の域値デ-タを収集した。 3)補聴器の特性測定ー使用している補聴器の電気音響的特性を測定し、損失した聴力に対してどれ程の増幅補償を行っているか、50名の学生の音響利得デ-タを収集した。 2)筆者らの研究から得られていた長時間平均音声スペクトラム(中川・大沼、補聴器の評価に関する研究ー音声と教室の環境音の音響的検討、1987)を基に、120cm離れた普通の大きさと、30cmに近づいて大きめの発声をした場合の音声の強さのレベルの幅を書き入れた「補聴効果記録用紙」を作成した。これに、上記1)の結果得られた補聴器を装用した時に聴こえる音の強さのデ-タを重ね書きすることにより、個々の学生が平均的な音声のレベルを補聴器を通してどの程度聴き取っているものなのか、オ-ジオグラムの画面上で推測することのできる資料を作成した。一般的に、250Hzから1000Hzにかけては、相当のスピ-チレベルが可聴範囲に入るが、2000Hzから4000Hzになると、音声の高域周波数の情報の入力には限界があるという傾向がみられた。 3)これらの結果を基に、難聴者のきこえをシミュレ-ションする材料を作成できる展望が得られた。
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