1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01840014
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Research Institution | Ocean Research Institute, University of Tokyo |
Principal Investigator |
平 啓介 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50013579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 英幸 海洋電子株式会社, 主任研究員
竹内 倶佳 電気通信大学, 電子工学科, 教授 (00017378)
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Keywords | 海洋深層循環 / 自動沈降浮上 / 人工衛星利用 / アルゴスシステム / ラグランジュ測流 / 水の電気分解 / 水素ガス発生 / 漂流ブイ |
Research Abstract |
海洋の表層循環の計測には人工衛星で追跡する漂流ブイが使用され、海水の実質の流動が明らかにされている。深層水と密度を等しくした中立フロ-トは音響信号を利用して追跡される。海面上で発射される電波は宇宙から受信できるが、音波の受信は船舶や係留式の受信局を使用し,音波の到達距離も限定され広域の海洋の深層循環の計測に用いられない。本研究は一定期間深層を漂流し、急速度で浮上させて浮上位置を人工衛星で位置決めする中立フロ-トの開発を目的としている。25時間海面にとどまり再度沈降する動作を繰り返すことで長期間の観測が実現できる。自動的に浮上する動作はポップアップとよばれる。ポップアップの浮力を生ずる機構として,本研究ではガス発生による浮力を利用する全く新しいポップアップフロ-トを開発した。平成1年度は水の電気分解による方式による試作機を製作した。沈降動作は混合ガスに点火して燃焼することにした。燃焼時の衝撃が大きく、頑丈な容器が必要であった。また、陸上実験の結果燃焼しない気体が残存することが判明した。繰り返し使用時に測定層が一定しなくなる可能性が生じた。 今年度は再度ガス発生機構の検討を行った。その結果化学物質の反応を試験することにした。水酸化カルシウムをカプセルに封入し、小型のガス発生剤に点火してカプセルを破壊して海水と触れさせることにした。満足できる性能が得られた。耐圧容器に収納したプロトタイプを製作したが、重量が大きく実用の段階には至ってない。重量45グラムのアルゴス発信機を購入することができたので、本研究で開発したポップアップフロ-トの実用化の目途は実現された。量産体制を整えて近い将来に海洋計測に適用する。
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[Publications] 平 啓介.竹内 倶佳: "深層漂流ポップアップフロ-トの開発" 月刊「海洋」.
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[Publications] Taira,K.and T.Takeuchi: "Development of gasーgenerating popーup floats for measurements of deep circulations" J.Oceanogr.Soc.Japan.