1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01840022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
原 昭二 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40057287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 宗雄 日本分光工業(株), LC技術課, 課長
土橋 朗 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (40138962)
竹谷 孝一 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20120149)
糸川 秀治 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60057304)
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Keywords | 天然物抽出 / 天然物単離 / 超臨界流体 / クロマトグラフィ- / SFC / 超臨界流体クロマトグラフィ- |
Research Abstract |
本研究は、天然物の抽出・単離過程に、優れたメディアとしての超臨界流体(SF)を適用し、新しい可能性を開拓しようとするもので、当初の計画にしたがい、1.高性能のSFクロマトグラフィ-・システムを構築、この装置により、モディファイヤ-を含むSFキャリヤ-の流量、密度、温度を精密にコントロ-ルし、マイクロボアカラム、微少量の送液、グラジエント溶出、各種パラメ-タのプログラミングを用いて、高分解能とすぐれた再現性が得られることを確認した。2.炭酸のSFは極性が小さいため、シリカゲル充填剤を用いる従来の研究法においては、極性基を含む化合物の溶出が困難であった。しかし化学結合型の充填剤、内壁ガラスライニング・カラム管を用いることにより、親水性基(カルボキシル基、アミド基、水酸基など)を含む試料を、対称性の良いピ-クとして溶出、分離することができた。表面を親油性基で被覆した充填剤は、界面で生ずると考えられる非極性/非極性の相互作用により、これらの試料を保持するものと解釈される。ただしこの考え方は新しい概念であり、今後の検証を必要とする。また温度のグラジエント下降によりピ-クの形状をしちじるしく改善することができた。3.多くの天然物標準試料を用い、SFクロマトグラフィ-の保持挙動を系統的に計測した。4.新しいカラムを調製し、保持特性を計測することによって、選択性を明らかにした。その一例として、キラルなホ-ムメイド充填カラムにより、効率の高い鏡像体の分割に成功した。DLアミノ酸誘導体を一斉分析し、記録的な高分解能(約30分で14種のアミノ酸のD体およびL体を分離、分割)を得た。アカネの抗腫瘍性成分である環状ペプチド(分子量約700)を良好なピ-ク形で溶出することができ、炭素一個が異なる同族体の分離を達成した。5.SFを用いる分離は、HPLCのそれの約5倍の速さで行い得ることを確認した。
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