1990 Fiscal Year Annual Research Report
流れの可視化写真から組織運動パタ-ンを高速検出するファジ-推論コンピュ-タの試作
Project/Area Number |
01850019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福西 祐 東北大学, 工学部, 助教授 (60189967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田黒 俊夫 計算流体研究所, 実験研究部, 部長
小濱 泰昭 東北大学, 工学部, 助教授 (60006202)
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Keywords | ファジ-推論 / コンピュ-タボ-ド / 可視化写真 / 画像処理 |
Research Abstract |
可視化法は広い流れ場全体の情報が一度に得られる点で極めて有用であるが、その解釈の段階で、写真を見る研究者が自己の潜在的なイメ-ジで像を眺めてしまう為、その研究者の主観が入り込む危険性が、その欠点として指摘されている。この研究は人工知能を用いることで任意の潜在的なイメ-ジを与えて、可視化写真からどのような組織的なパタ-ンが抽出できるかを調べることを最終的な目的とし、そのために高速で高度なファジ-(あいまい)推論を行うコンピュ-タボ-ドを試作しようとするものであった。コンピュ-タボ-ドの製作は数種類の試作の後、可視化写真の画像の処理というこの研究の目的に適した回路の設計製作に成功した。この研究の過程で明らかになったこととして、コンピュ-タボ-ドのハ-ドウエア(回路設計)はそれほど問題ではなく、そこに与えるファジ-推論のル-ルに結果の善し悪しが大きく関わっていることが挙げられる。われわれは、コンピュ-タボ-ドの性能評価の対象としてデルタ翼の可視化写真、ウォ-タ-ジェット中の飛行する砥粒の写真、冬季の日本近辺の雲の写真を選び、このコンピュ-タボ-ドによるファジ-推論システムが、渦列やすじ状の雲のパタ-ンの存在を人間の感覚に近い基準で発見できることを確認した。その際にもル-ルが結果に強く影響し、ル-ルの製作が困難であった。この研究はこの分野の研究の先駆けであったが、当初の目的を達成することができたと考える。これらの課題としては、ル-ル製作のノウハウを蓄積し、人間を越える認識力をコンピュ-タシステムに特たせることにあると考えられる。
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[Publications] 小林 陵二,福西 祐,藤島 正章,犬飼 朗: "ウォ-タ-ジェット加工における砥粒の加速特性" 日本機械学会東北支部八戸地方講演会講演論文集. 240-242 (1990)
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[Publications] 福西 祐,小林 陵二,大澤 陽: "ファジ-推論型人工知能の推論手法を応用した可視化写真からの情報の抽出" 第22回乱流シンポジウム講演論文集. 307-311 (1990)
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[Publications] 福西 祐,小林 陵二,犬飼 朗: "アブレシブジェットにおける砥粒の加速特性の計測" 日本機械学会第68期全国大会講演会講演論文集. 443-445 (1990)
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[Publications] 福西 祐,小林 陵二,大澤 陽: "ファジ-推論による流れの可視化写真からのパタ-ン抽出" 日本航空宇宙学会北部支部1991年講演会前刷集. 9-10 (1991)