1989 Fiscal Year Annual Research Report
インバ-ジョンによる成層流密度分布および内部波形の非接触式三次元連続測定機の試作
Project/Area Number |
01850119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
日野 幹雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田黒 俊夫 計算流体研究所, 実験研究部, 研究員
広永 勝治 日本科学工業(株), 製造部, 取締役部長
福西 祐 東北大学, 工学部, 助手 (60189967)
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Keywords | レ-ザ- / レ-ザ-塩淡密度計 / インバ-ジョン法 / 逆推定 / マルカット(Marquardt)法 / 密度流 / 光屈折 / スネルの法則 |
Research Abstract |
研究の目的 密度流現象は、湖沼・海洋における富栄養化に深い関係をもつ成層の発生・発達、河川における海水遡上、沿岸海洋中の海底地形による二次流・湧昇流の発生(プランクトンの増殖)など、水工学の基礎的研究としても実際問題としても極めて重要である。したがって、室内実験の重要さも論を待たない。しかし、従来は密度分布の計測は、電気伝導式塩分濃度計によるブロ-ブ挿入式より他に無く、流れの場を乱さずに多数点で同時連続計測を行うことは不可能であった。また、電気的塩分濃度の感知域は狭く、かつ濃度変化に対する時間応答性は良くないという難点があった。 本研究は、密度流とくに成層流場の密度および内部波形を、光学的画像情報インバ-ジョン法により流れの中にブロ-ブを挿入することなく、かつ全体的3次元的に連続計測する新しい発想に基づいた計測機を開発しようとするものである。従来は、可視化法も含めて光学的計測法を密度流に応用しようとするとき、密度変化のため像が歪むのが欠点であった。本研究ではこの欠点を逆に利用して密度変化や内部波形を逆推定しようとするものである。 本年度の研究結果 1)インバ-ジョン法による非接触式密度計測の理論の展開:この方法は、レ-ザ-光線の光路が密度分布の変化に対応し屈折する現象が微積分方程式で表される非線型二点境界値問題となることを基礎にし、この方程式の初期値である格子点の正位置と解である像位置から、レ-ザ-光路上の密度を逆推定しようとするもので、まず最初に理論構成を正確に数学的に記述する。(日野・太田黒担当)。 2)仮定した密度場中の光路の逆探査が上記の理論により可能であることを数値シミュレ-ションにより明らかにした(日野)。 3)光学系の設計・製作:レ-ザ-光線を様々な角度で対象場に入射し、到達光をCCDカメラ画像面に集光し、電子処理系に伝送する(広永担当)。 4)電子処理系の設計:CCDカメラ画像面の情報を、1)の理論の差分化式より解いて、密度分布を逆推進するプログラム・ソフトを開発した(福西・太田黒担当)。 5)予備実験:密度変化と屈折率の関係、密度変化が単純な場合について、上の方法の妥当性の検討を行った(日野担当)。
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