1989 Fiscal Year Annual Research Report
メカノフュージョン法による金属/セラミックス複合粒子の開発と傾斜機能材料への応用
Project/Area Number |
01850158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 藤平 ホソカワミクロン株式会社, 粉体工学研究所, 所長
渡辺 龍三 東北大学, 工学部・材料加工学科, 教授 (20005341)
田口 収 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (30042253)
小野 堯之 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30005342)
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Keywords | メカノフュージョン / メカノケミカル反応 / 複合粒子 / 傾斜機能材料 / 均一分散 |
Research Abstract |
研究初年度に当たる今年度は、雰囲気調整型のメカノフュージョン装置を設計・試作し、さらに製造された複合粒子の特性と同焼結体の特性などに関し、当初計画にそってほぼ予定どおり研究を推行できた。これまでに得られた成果は以下に示すとおりである。 1.新しい装置の試作;これまでの基礎研究から得た知見をもとに、粉末の供給からメカノフュージョン処理まで一貫して特定の雰囲気下(運転時に5×10^<-5>Torr〜1kg/cm^2のガス加圧雰囲気まで選択可能)で処理できる装置を協力して設計・試作した。 2.複合粒子の調整;水冷をしない旧機と水冷可能な新機について、複合のための原料粉の配合比と処理容器の回転速度を変化させ複合化に及ぼす経時変化を検討した。いずれも被覆粒子は分散、凝集、凝結、固結の過程を経るが、水冷しない場合の方が摩擦熱によると思われる融合が単時間に進行し、約5〜10分程度で固結状態に至る。これに対し、真空中かつ水冷下で処理した場合には、凝集に影響を与える湿分の低減と冷却効果によって融合・凝集などが進みにくく、例えば1,000r.P.mでは180min経過後でも凝結や固結に達しないことがわかった。また真空下の場合被覆層の状態は低配合比から高配合比まで極めて均一であった。 3.焼結体の性質;それぞれの複合処理粉を常圧あるいは加圧焼結し、その組織と硬度、ならびに摩耗特性などについて検討した。常圧焼結に比べホットプレス(加圧焼結)した場合の方が、硬度は約3倍大きく、摩耗減量は約1/2になることがわかった。 複合処理雰囲気を自由に選択できることは、本法の大きな特色であり、不純物介入が少なくヘテロ界面の安定接合を要求される、粉末系の高機能複合材料の開発に対し、本製法が寄与できるところ大と思われる。
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[Publications] 丹野浩一: "メカノフュージョン法による金属/セラミックス複合粒子の製造" 粉体工学会誌. 27. (1990)
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[Publications] 丹野浩一: "SUS304/Si_3N_4複合粉末体の作成" 粉体粉末冶金協会講演概要集. 春期. 40-41 (1989)
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[Publications] 丹野浩一: "メカノフュージョン法により製造した金属/PSZ系複合粉の焼結組織" 粉体工学会講演要旨集. 秋期. 104-107 (1989)