1990 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ-を用いたラマン分光法による金属表面腐食層の遠隔測定システムの開発
Project/Area Number |
01850160
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 俊明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (20113532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 照樹 日本分光工業(株), 光応用技術応用研究課, 課長
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Keywords | レ-ザ- / ラマン分光 / 鉄鋼 / さび / 酸化物 / 水酸化物 / 遠隔測定 / 光ファイバ- |
Research Abstract |
1.試作装置の性能評価:平成元年度に試作した光ファイバ-を利用した遠隔操作型のレ-ザ-ラマン分光装置の性能評価ならびにその改善を検討した。光ファイバ-を介す測定での検出感度を検討するために、ステンレス鋼の上にKBrを用いて模擬さびを固定し、通常の測定との比較を行なった。レ-ザ-光の光ファイバ-内での減衰、ラマン光のファイバ-内での減衰などの評価の結果、通常の測定より約1/4〜1/8程度検出効率が落ちていることがわかった。この程度の検出感度の減少は多チャンネル光量検出器の導入でカバ-することができた。 2.多面積の普通鋼のさび層の検出:0.1×0.1m^2の普通鋼を塩水にデップし、乾湿を繰返して生成したさび層を光ファイバ-を介した遠隔測定型ラマン分光法で測定した。普通鋼の上にはβーFeOOHのスペクトルが見出された。 3.各種形状の鋼のさび層の検出:(1)ガスボンベの蓋のさび:塩素ガスがある環境下に長年放置されていた窒素ガスボンベの蓋の部分を測定した。形状は円筒であり、その直径は8cm、高さ18cmである。高さに応じてさび組成が異なり、上部には無定形なもの、下部にはβーFeOOHならびにFe_3O_4からなるさびを検出した。(2)ガススト-ブの蓋の裏のさび:ガスの炎に長年曝されており、高温環境下にある蓋の裏側部分(直径約30cm)からαーFe_2O_3ならびにFe_3O_4からなるさびを検出した。(3)登山用ピッケルのさび:名古屋市の郊外の住宅地のベランダに約1年半放置されていた登山用ビッケル上のさび層を測定し、ブロ-ドなラマンピ-クではあるが、γーFeOOHと同定できるさびを検出した。
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[Publications] 大塚 俊明: "Change of the Anodic Oxide Films on Tungsten during the ElectrochromicReaction" J.Electroanal.Chem.287. 249-264 (1990)
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[Publications] 大塚 俊明: "エリプソメトリ-、ラマン分光法による局部腐食表面の解析" 第83回腐食防食シンポジウム資料. 23-32 (1990)
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[Publications] 三沢 俊平: "Comparison of Stress Corrosion Cracking Susceptibility of Austenitic and Ferritic Steels in Small Punch Testing" J.Nuclear Materials. (1991)