1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01860027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小出 進 東京大学, 農学部, 教授 (60003745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 健 農林水産省, 農業研究センター, チーム長
山路 永司 東京大学, 農学部, 助教授 (10143405)
冨田 正彦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60074051)
山崎 耕宇 東京大学, 農学部, 教授 (30011878)
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Keywords | 低コスト稲作 / 水田基盤整備 / 大区画 / 湛水直播 / 乾田直播 / 圃場整備 |
Research Abstract |
低コスト稲作に対応した水田基盤整備のあり方を考究する試験研究の初年度において、以下の事項を検討した。 低コスト稲作一般論としては、大区画の耕区および圃区の設計原則を検討し、そのタイプ別に傾斜条件と土工量・コストの関係既往の文献整理を通じて検討した。また大区画(耕区)のとれる傾斜は原則として1/300以下に限られるが、この面積を農水省の土地基盤整備基本調査デ-タから算出した。加えて、湛水直播、乾田直播、乾田直播+地下潅排水というさらに省力的な栽培技術体系の導入可能面積を算出するため、標高および土壌を国土数値情報から、気温および降水量を気象庁アメダスデ-タに求め、約500m四方のメッシュ単位ににこれら諸方式の可能性を判定した。なおこの際の直播可能判定は積算気温を用いる略式に頼らざるを得ないがそれでは不十分なため、直播可能性については別途詳細に検討した。また農業経営上は大区画水田での低コスト稲作一本よりも集約的畑作や畜産を地域的に複合させた形態をとることが望ましいため、農村集落における新たな土地利用需要、現行の土地利用規制も取り込んで、集落における大区画化すべき領域の提示をモデル的に行なった。さらに薄衣地区のコスト目標を定めるための先進事例調査として、千葉県佐倉市角来地区および臼井地区調査を共同で行い、高度利用集積圃場整備事業実施地区のいくつかについては個別に調査を行なった。 試験研究の対象となる川崎村薄衣地区については、その立地環境および整備計画について現地調査を数回行い、地区の活性化のためには抜本的な圃場整備が必要であることを確認し、現行整備計画が妥当なものであるかについて検討を加えた。また、気象デ-タの収集および解析、表層土壌やよび土層断面の調査、集落の営農形態調査等を行なった。2年度以降は、圃場整備工事の進展に合わせて現場規模での調査に入る予定である。
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