1990 Fiscal Year Annual Research Report
純チタンの人工歯根修復における歯根膜形成術式の開発
Project/Area Number |
01870079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥田 礼一 東北大学, 歯学部, 教授 (80005024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 素子 東北大学, 歯学部, 助手 (80215566)
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
加賀山 学 東北大学, 歯学部, 教授 (60004610)
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Keywords | 人工歯根修復 / 純チタン / 歯根膜形成 / 歯根膜細胞性状 / 立体培養 / 骨吸収活性抑制 / 骨形成活性高揚 |
Research Abstract |
昨年に続き歯根膜を形成させた人工歯根修復の術式の開発を目的として、歯根膜細胞の種々の特性を検討している。1.ヒト抜去歯由来の歯根膜細胞について;25種に及び歯根膜細胞のALPase活性とI型コラ-ゲン合成能を検討した結果、若年層の歯根膜から得られた細胞は高いALPase活性とI型コラ-ゲン合成能が示され、高年齢化と共に両活性は低下していく事が示された。また、細胞継代による両活性の変化を調べると、いずれの細胞も3〜5代までは活性の変化がみられず、5代から両活性に上昇または減少がみられる細胞もあり、ある細胞種にselectionが起きることが示された。この結果から若年層の歯根膜細胞を3〜4代まで増殖させたものが安定した歯根膜修復になると考えられた。2.歯根膜細胞によるin vitro立体培養について;生体内で歯根膜を再構築する場合、どのような細胞集団の歯根膜細胞が適するか否かを調べる目的から、ALPase活性とI型コラ-ゲン合成能の高いものと低いものとの組み合わせを満足する4種の歯根膜細胞を用いて、純チタン面とハイドロキシアパタイト面の間にキチンまたはアテロコラ-ゲンスポンジを介在させて実験した結果、介在物の構造体間の距離が歯根膜細胞の立体培養の走行性に大きな影響を示す事がわかり、純チタン面に垂直に立体培養させる介在体の構造を検討する必要が示された。3.歯根膜細胞の咬合圧に対する抵抗性について;メカニカルストレスに対して破骨細胞が誘導されて骨が吸収される事は周知の事実である。歯槽骨内挿入の人工歯根は咬合圧を直接歯槽骨に伝達しているのに対し、天然歯根は咬合圧を歯根膜の緩衝作用で解除していると考えられている。ヒト歯根膜細胞と末梢血リンパ球を反応させたところ、歯根膜細胞は歯肉細胞とは異なり破骨細胞の誘導形成を抑制すると共に自らのALPase活性を高めた。この事は人工歯根修復にあたって歯根膜の重要性を示している。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 田上 篤: "歯根修復に関する研究 第3報歯根膜由来細胞にみられる骨吸収メカニズム抑制作用" 歯科ジャ-ナル.
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[Publications] 清水 義信: "人工歯根修復に関する模索" 歯科ジャ-ナル. 31ー4. 477-486 (1990)
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[Publications] M.Chiba: "A study of bone remodeling mechanism induced by mechanical stress.1.Differentiation of osteoclast induced by compressive ferce in new born rat caltured long bone."
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[Publications] Y.Shimizu: "A study of bone remodeling nechanism induced by mechanical stress.2.Factors of interaction between osteoblasts and bone marrow cells in remodeling."
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[Publications] 清水 義之: "Mechanical streessによる骨改造機構に関する研究骨改造機構における骨芽細胞と骨髄細胞の相互作用因子について" 歯科基礎医学会雑誌. 32. 123-134 (1990)
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[Publications] M.Nakamura: "A histochemical localization on Maclure pomifera lectin during osteogenesis" Histochemistry. 92. 225-230 (1989)
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[Publications] 斎藤 素子: "歯根修復に関する研究第2報各種形状純チタン面へのヒト歯根膜由来細胞の付着・培養" 日本歯科保存学会雑誌. 32ー6. 1612-1621 (1989)
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[Publications] 松井 明彦: "ア-ク溶解・加圧吸引鋳造機の試作第8報純チタン鋳造修復物の臨床成績" 日本歯科保存学会雑誌. 32ー5. 1379-1387 (1989)
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[Publications] 松井 明彦: "ア-ク溶解・加圧吸引鋳造機の試作第6報室温鋳型への純チタンの鋳造性" 日本歯科保存学会雑誌. 32ー4. 1021-1028 (1989)