1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01870083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
赤川 安正 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (00127599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 啓二 広島大学, 歯学部, 講師 (10116626)
和田 卓郎 広島大学, 歯学部, 教授 (10028756)
永金 幸治 広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (10207988)
都留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
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Keywords | CTスキャン / 顎骨診断システム / インプラント |
Research Abstract |
CTスキャンを用いる顎骨診断システムの試作にあたり、骨性状を把握する指標として、CT値および骨塩量に注目した。しかし、これらの定量的情報を真に意味あるものにするために、まずCT値の再現性について、患者の固定法(位置再現性)と併せて検討した。その結果、CTスキャンの位置再現性は±0.2〜3.4%に抑えることが可能となり、またこれより得られたCT値は±10〜20HUの狭い範囲内で高い再現性を示した。これとともに、パラノマX線撮影の規格化を試み、位置再現性を±0.2〜1.8%とできた。この結果より、CTスキャンより得られる情報との三次元的対応の可能性が高まった。さらに、CTスキャンによる三次元的画像解析については、対象となるインプラント埋入部位が極めて小さな領域であるために、立体画像として表示、解析を行なったが、現有するコンピュ-タおよび表示媒体の能力からよい成績が得られなかった。 また、CTスキャンやパラノマX線写真情報を術前に得たインプラント患者17名に対して、HAコ-ティングインプラントを行い、その際、埋入部位から得られた顎骨の脱配パラフィン標本を作製し、光顕観察を行なった結果、術前のCT値とは比較的よく対応しているように思われた。さらに、これらの患者の咀嚼機能に関して上部構造物を作り、装着3ヵ月後のEMGを記録し、分析中である。 次年度は、CT値を利用して顎骨の質的分析に重点をおいて検討を加え、パノラマX線写真情報とCT値との対応を明確にし、さらに同部顎骨標本の定性的所見とあわせて、新しい顎骨診断システムを確定したい。また、実際のシステムにより診断されたインプラント患者の予後を咀嚼機能の面から評価し、システムの臨床応用の妥当性をも明らかにする予定である。
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