1989 Fiscal Year Annual Research Report
老人痴呆と記憶障害モデル動物の作製と予防治療薬の薬効評価法の確立
Project/Area Number |
01870098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 俊彦 北海道大学, 薬学部, 助手 (90174317)
徳光 幸子 北海道大学, 薬学部, 助教授 (60001046)
富森 毅 北陸大学, 薬学部, 教授 (30100506)
菊池 徹 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40025680)
上田 亨 北海道大学, 薬学部, 教授 (00001032)
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Keywords | 老人痴呆 / 予防治療薬 / 薬効評価法 / cyclic AMP / 神経細胞 / 生薬成分 |
Research Abstract |
代表的二次メッセンジャ-であるcyclic AMPの脳機能への関与、とくに記憶への関与を明らかにし、それに影響する生薬成分を発見する目的で、今年度は以下の検討を行い新知見を得た。アデニル酸シクラ-ゼ(AC)活性調節系への生薬抽出エキスの作用をNG108-15細胞を用いて検討したところ、1mg/ml桂皮、竹節人参が基礎ならびに100μM forskolin賦活両活性を抑制した。また、1mg/ml黄〓、知母、蜜蒙花はforskolin賦活活性抑制効果を示した。これらの効果のあった5種の生薬のうち黄〓について、その主成分であるフラボノイドを単離精製し、構造類似のフラボノイドもあわせてその効果を検討したところ、被験27種のフラボノイドのうち10種がAC活性を抑性し、そのうちで5,6,7位に置換基を有するものが7種存在した。100μMにおいては、eupafolinが最も活性が強く、eupafolin のB環のOH基がないoroxylin Aも強い抑制活性を示したが、oroxylin Aの2,3位間二重結合が還元されたdihydrooroxylin Aには活性が認められなかった。また、5,6,7位のいずれかに糖を有するものは一例を除いて活性がなかった。Eupafolinを用いてさらにフラボノイドの作用機序について検討をおこなった。Eupafolinは10μM forskolinにより活性化されるACを濃度依存的に抑制し、そのEC_<50>値は約1μMであった。百日咳毒素100ng/mlを4時間処置した細胞ではEC_<50>値は約10μMに上昇した。Eupafolin(100μM)によるAC抑制は、100μM yohimbine前処置により抑制された。またeupafolinはラットシナプス膜へのforskolin結合には影響を及ぼさなかった。以上の結果より、(1)桂皮、竹節人参、黄〓、知母、蜜蒙花はAC活性を抑性すること、(2)そのうち黄〓の活性成分はフラボノイドであり、構造活性相関より5,6,7位に不対電子対ならびに2,3位間の二重結合が活性に関与すること、(3)eupafolinに代表されるこれらのフラボノイドは、α_2受容体を活性化することが示唆された。
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[Publications] 東田道久,熊谷千尋,今井伸一,富森毅,野村靖幸: "黄〓エキスならびに関連フラボノイドの神経細胞受容体ーアデニル酸シクラ-ゼ系への作用" 和漢医薬学会誌.
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[Publications] Tohda,M.,Tandai,Y.,Miyaichi,Y.,Tomimori,T.and Noumra,Y.: "Inhibitory effects of flavonoids on adenylate cyclase in NG108-15 cells." Jap.J.Pharmacol.52. pp362 (1990)
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[Publications] Tohda,Michihisa: "Biphasic effects of mianserin on serotonin-evoked current and Cl^- efflux in Xenopus oocytes injected with rat brain mRNA" Cellular and Molecular Neurobiology.
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[Publications] 野村靖幸: "細胞の刺激応答ーー二次情報伝達系研究の最近の進歩" Dementia. 3. 12-22 (1989)
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[Publications] 野村靖幸: "細胞の薬物応答系とその機構をめぐって" 日本薬理学雑誌. 93. 321-331 (1989)
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[Publications] 野村靖幸: "卵母細胞を用いた脳細胞情報伝達機構の解析" 薬学雑誌. (1990)
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[Publications] Nomura,Yasuyuki: "The transmembrane signalling mechanism of serotonin-evoked inward current responses in Xenopus oocytes injected with rat brain mRNA.In:Physiology and Pharmacology of Transmembrane Singnalling" Elsevier Science Publisher,Amsterdam, 125-133 (1989)
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[Publications] 野村靖幸: "脳の細胞内情報伝達α受容体の脳における情報伝達" 医薬ジャ-ナル社, 11-48 (1989)