1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02041024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾本 恵市 東京大学, 理学部, 教授 (10011503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袁 いーだ 中国科学院, 遺伝学研究所, 講師
はお 露萍 中国科学院, 遺伝学研究所, 助教授
杜 若甫 中国科学院, 遺伝学研究所, 教授
針原 伸二 東京大学, 理学部, 助手 (40198932)
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 助教授 (30192587)
平井 百樹 東京大学, 理学部, 助教授 (60156635)
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Keywords | 中国東北部 / 少数民族 / 集団遺伝学 / 遺伝的多型 / 遺伝距離 / 類縁図 / 血液型 |
Research Abstract |
本研究は、中国東北部の少数民族であるエヴェンキ、オロチョンならびにダウ-ルの血液遺伝標識を検査し、それらの系統的位置づけを行わんとするものである。平成2年度にはダウ-ルの研究を実施したので、今年度はエヴェンキとオロチョンを調査した。平成3年8月29日に東京を出発し、北京にて中国側班員と合流し、調査の準備を行った後、8月31日に内蒙古自治区のハイラ-ル市に飛び、付近の民族学校にてエヴェンキの採血を実施した。150検体を目標としたが、結局117検体を採血し得た。試料はただちに血液型判定用、赤血球酵素型および血清蛋白型判定用ならびにDNA検査用に分割し、血液型判定用の試料を除き北京に空輸し冷凍保存された。血液型については現地にてABO,Ph,MNSなど合計10種類を検査した。9月7日にアリホ-というオロチョン族自治旗に移動し、採血を行ったが純枠のオロチョンの数は少なく、58検体を得たに止まった。そこで、黒竜江省の黒河市の近郊にて23検体を追加し、合計81検体をハルピン市に運び、血液センタ-の実験室を借りて血液型の判定ならびに試料の分離を行った。試料は9月14日に空路北京に持ち帰り、中国料学院遺伝研究所にて冷凍保存された。日本隊は9月17日に帰国したが、その後、中国側班員ならびに共同研究者により、赤血球酵素型6種類、血清蛋白型3種類の検査が行われ、12月までに結果が日本側に報告された。この検査結果よりそれぞれの多型の遺伝子頻度を算出し、そのデ-タにもとづき他の中国少数民族および日本の集団(和人、アイヌ、沖縄人)との間の遺伝距離分析を行った。その結果、和人に最も近縁なのは朝鮮人で、ついでダウ-ルとモンゴルがこれに次ぐ。エヴェンキとオロチョンとは互いにかなり近縁であるが、日本人3集団とは遠い関係にあることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Omoto et al.: "Population genetic study on "She" national minority of China." Journal of the Anthropological Society of Nippon. 99. 189 (1991)
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[Publications] K.Omoto et al.: "Population genetic study of Daur,a national minority in north-eastern China." Journal of the Anthropological Society of Nippon. 100. (1992)
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[Publications] K.Omoto.: "Some aspects of the genetic composition of the Japanese." 国際日本文化研究センタ-紀要(特別号). (1992)