1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02041052
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 保 大阪大学, 人間科学部, 教授 (80062636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROBERTS M. アデレイド大学, 史学科, 教授
BAILEN J. フィリピン国立大学, 助教授
SHAMSUL A.B. マレーシア国民大学, 助教授
DISANAYAKE A コロンボ大学, シンハラ科学, 助教授
土佐 昌樹 大阪大学, 人間科学部, 助手
梶原 景昭 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (10116014)
中林 伸浩 金沢大学, 教養部, 教授 (30019848)
北岡 伸一 立教大学, 法学部, 教授 (80120880)
猪木 武徳 大阪大学, 経済学部, 教授 (00107111)
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Keywords | 文化統合 / 文化多元主義 / 文化複合 / 文化変化 / 民族政治 / ナショナリズム / 国家と文化 / 東南アジア |
Research Abstract |
今回の調査研究を通して、本研究テーマ「文化統合と文化的多元性」の問題がきわめて重要かつ緊急性をもつものであることがさらに強く認識された。調査研究のそれぞれの当該国において、本テーマはスリ・ランカにおける民族紛争、マレーシアにおける民族と宗教をめぐる微妙な緊張、フィリピンでますます盛んになりつつある少数民による自治要求、オーストラリアの文化多元主義社会建設への模索など、一方ではいかに文化(民族、言語、宗教、生活様式など)の多様性を認め、また他方でいかに国民国家としての一体性を創出していくかをめぐって、いま各国がその対策に苦悩し、その解決策を模索しつつある、まさに現実の大問題であり、また学術研究の関心が収斂する焦点となっている。こうした「国家」と「文化」をめぐる課題については、ようやく問題関心は高まりつつあるものの、信頼できる学術資料の蓄積およびその分析という点については未だ殆どなされておらず、本調査研究はその端緒を拓くものである。今年度の調査研究では、当該諸国の研究者および関係機関から絶大なる学術的関心を示され、また熱心な協力を受けた。コロンボ、ヌワラエリヤ(以上スリ・ランカ)、クアラルンプール、マラッカ(以上マレーシア)、マニラ、バギオ、バコロド(以上フィリピン)、アデレイド、シドニー、キャンベラ(以上オーストラリア)を中心に、実態調査と文献資料調査が実施できた。調査実施と研究討議に関して、コロンボ大学、マレーシア国民大学、フィリピン大学、アデレイド大学および各機関の研究者の緊密な協力を得ている。今年度の調査研究を通して、このテーマに関する1)地方都市社会の学際的(文化人類学、政治学、経済学)研究に基礎をおく研究が初めて着手された。2)国家中央の政策と地方都市の実践の両面から追求した。3)官庁等の資料情報と民族誌を結ぶ新たな研究構成が行われた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 青木 保: "「日本文化論」の変容" 中央公論社, (1990)
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[Publications] 北岡 伸一: "国際化時代の政治指導" 中央公論社, (1990)