1990 Fiscal Year Annual Research Report
コウモリのこだま定位音の音声学的特異性による大脳構造の相違に関する比較的研究
Project/Area Number |
02044006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀田 和夫 北海道大学, 歯学部, 教授 (70018414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 勉 北海道大学, 歯学部, 助手 (20091431)
根津 恵理子 北海道大学, 歯学部, 助手 (60111176)
土屋 公幸 宮崎医科大学, 動物実験施設, 助教授 (30155402)
下澤 楯夫 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (10091464)
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治研, 助教授 (50114781)
松村 澄子 山口大学医療技術短期大学部, 助教授 (30136204)
GUNTER Ehret ウルム大学, 医学自然科学部(ドイツ), 教授
SUGA Nobuo ワシントン大学, 生物学部(アメリカ合衆国), 教授
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Keywords | コウモリ / エコ-ロケ-ション / 大脳皮質聴覚野 / コミュニケ-ションサウンド / 時間遅延回路 / 系統分類学的関係 |
Research Abstract |
本研究では神経生理学的研究によって明らかにされた中南米産コウモリの大脳皮質聴覚野の機能的構造には種特異性・個体特異性があるという亊実から,他の地域のコウモリを世界的レベルで比較研究することによって大脳の機能構造をさらに詳細に明らかにすることを目的としていた。そこで本年度では1).上記の神経生理学的研究を行ってきた米国ワシントン大学のDr.Sugaのもとに分担者を派遣し大脳皮質聴覚野の研究を共通の基盤にたって研究できるようになること。2).国際的レベルでの比較研究の基礎となるコウモリの系統分類学的知見を収集すること。3).ヨ-ロッパとの提携のためドイツより研究者を招へいする。4).国内でのコウモリ研究の可能性について神経生理学的実験研究に必要な個体数を確保できるか否か検討する。5).コウモリの超音波発声機能に伴う付随的な興味ある機能として発声中の唾液腺活動の研究の可能性を検討すること,を企画した。1)の目的のため分担者松村澄子,下澤楯夫,堀川順生を米国セントルイス・ワシントン大学Dr.Sugaのもとに派遣した。松村は今まで知られていなかったコミュニケ-ションサリンドの解析を行い,ヒゲコウモリでdistress call,警戒音,攻撃威嚇音,social callなどがあることが明らかとなった。下澤・堀川はFMーFMニュ-ロンの時間遅延機能についてマルチバレル電極で研究し,時間遅延回路形成について新知見をえた。2)の目的のために土屋公幸を米国ニュ-ヨ-ク・ワシントンの博物館に派遣し,標本調査を行った。ヒナコウモリ科11属32種の標本を中心に小型食中性コウモリの標本を調査した。3)のためドイツ・ウルム大学Dr.G.Ehretを招へいしマウスとの相違などについて国内3ケ所で研究討論を行った。4)は鎌田が検討した。5)のために根津恵理子が派遣され,パッチクランプ,Ca定量などによる研究が行われた。
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