Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TITO P Torra サントトマス大学, 医学部, 教授
VIRGINIA F D サントトマス大学, 理学部, 教授
CARMEN G Kan サントトマス大学, 理学部, 理学部長
関 邦博 神奈川大学, 理学部, 助教授
出浦 滋之 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (40021448)
森 昭胤 岡山大学, 医学部, 教授 (20028434)
野本 享資 (財)サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (60142080)
間野 忠明 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30023659)
山本 典子 岐阜大学, 医学部, 講師 (70021409)
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Research Abstract |
アフリカマイマイ神経節より,Dーphenylalanine を含む tetrapeptide(GlyーDーpheーLーAlaーLーAsp)が分離・同定され,AchatinーIと名付けられた。.これはアフリカマイマイ巨大神経細胞に興奮作用を示した。本研究では,この物質の分離・同定とともに,これの基本的な薬理学的性質を明らかにした.この物質のアミノ酸組成が,Gly,Phe,Lys,Aspであり,その配列がGlyーPheーLysーAspであることは,比較的容易に解析されたが,GlyーLーPheーLーLysーAspには,期待された興奮作用が見られず,GlyーLーPheーLーLysーAsp.amide,GlyーLーPheーLーLysーLーAsn,GlyーLーPheーLーLysーLーAsn.amideにも,この作用はなかった.しかしこの物質の機器分析(核磁気共鳴,質量分析,円二色性スペクトルなど)より,これのphenylalanine残基がD型ではないかと考えられ,GlyーDーPheーLーLysーLーAspを合成して,天然のものと比較したところ,総ての機器分析およびbioassayの結果が一致し,achatinーIの構造は,上記のものと結論された.以下に記す巨大神経細胞を用いたachatinーI作用の電気生理学的解析は,膜電位固定法により行なわれ,この物質の投与は,圧(pneumatic pressure)による局所投与と,bath投与とが併用された.この方法により,achatinーIの用量・作用曲線が求められた.神経細胞PON(periodically oscil lating neurone)の結果を記せば,ED_<50>:2.0x10^<-6>M(95%confidence limit:1.4-2.6x10^<-6>M),Hill coefficient:0.62,E^<max>:5.46±0.22nA(n=8)であった.このED^<50>値より,この物質はこれを神経伝達物質と考えるのに,充分に強い作用を持つ.一方この物質の興奮作用は,神経膜のNa^+に対する透過性の上昇によるものであった。またachatinーIの立体異性体8種のなかで,強い作用を呈するものはachatinーIのみであり,これのレセプタ-はachatinーI識別のために,かなり明瞭な立体特異性を持つ.
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