1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02102005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 和博 京都大学, 理学部, 教授 (90025263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
民秋 均 京都大学, 理学部, 助手 (00192641)
成田 吉徳 京都大学, 理学部, 助教授 (00108979)
大須賀 篤弘 京都大学, 理学部, 助教授 (80127886)
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Keywords | ポルフィリン2量体 / ポルフィリン多量体 / 光合成反応中心 / 電子移動反応 / 励起エネルギ-移動 / カロテノイド / マグネシウムポルフィリン |
Research Abstract |
1.ベンゼンの1,2ー位で置換したポルフィリン2量体および3量体の高効率合成法を確立し、2量体ビス亜鉛錯体の分子構造をX線結晶解析により決定した。2つのポルフィリン環の2面角は、当初予想された60°から大きくずれてほとんど平行な配置にあり、このため2つのポルフィリン環の間で強い電子的相互作用が見られた。 2.上記2量体では、最低励起一重項のエネルギ-レベルと第一酸化電位の両方が著しく低下しており、スペシャルペアモデルとして有望である。この2量体にポルフィリン単量体およびピロメリットイミドを結合させたモデル化合物を合成し、その光化学的挙動について検討したところ、2.5MSの寿命の電荷分離状態が約0.18の量子収率で生成することがわかった。しかし、2量体のみを選択的に光励起した場合は、イオン種の生成は全く観測されず、2量体からピロメリットイミドへの遠距離電子移動は起きないことが判明した。 3.空間配置を規制したカロテノイドーポルフィリンモデル化合物の合成法を確立し、カロテノイドからフリ-ベ-スポルフィリンへの一重項起エネルギ-移動および亜鉛ポルフィリンからカロテノイドへの一重項励起エネルギ-移動を実測した。これらの結果から、カロテノイドの最低励起一重項のエネルギ-を見積った。また、カロテノイドーフリ-ベ-スポルフィリンーピロメリットイミド化合物では、カロテノイドからピロメリットイミドへの非常に速い遠距離電子移動が進行することを明らかにした。 4.マグネシウムポルフィリンーフリ-ベ-スポルフィリン混合錯体の合成法を確立した。2つのポルフィリン環が近接し、しかも極性溶媒中でのみ、電子移動が進行し、他の場合は一重項励起エネルギ-移動が進行するという重要な発見を行った。
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[Publications] A.Osuka,K.Maruyama,I.Yamazaki,and N.Tamai: "Synglet Excitation Energy Transfer in Conformationally Restricted Zincーfreeーbase Hybrid Diporphyrins" Chemical Physics Letters. 165. 392-396 (1990)
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[Publications] T.Nagata,A.Osuka and K.Maruyama: "Synthesis and Optical Properties of Conformationally Constrained Trimeric and Pentameric Porphyrin Arrays" J.American Chemical Society. 112. 3054-3059 (1990)
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[Publications] A.Osuka,K.Maruyama,N.Mataga,T.Asahi: "Geomery Dependence of Intramolecular Photoinduced Electron Transfer in Synthetic ZincーFerric Hybrid Diporphyrins" J.American chemical Society. 112. 4958-4959 (1990)
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[Publications] Y.Naruta,F.Tani,and K.Maruyama: "Catalytic and Asymmetric Oxidation of Sulphides with Iron Complexes of Chiral“Twin Coronet"Porphyrins" J.Chemical Society,Chemical Communications. 1378-1380 (1990)
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[Publications] Y.Naruta and K.Maruyama: "High Oxygenーevolving Activity of Rigidly Linked Mn(III)Porphyrin Dimers.A Functional Model of Manganese Catalase" J.Am.Chem.Soc.,. 113. (1991)
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[Publications] K.Maruyama,M.Hashimoto and H.Tamiaki: "A Novel Photocyclization Reaction of LysineーAnthraquinone Molecules" Chemistry Letters. 2165-2166 (1990)