1990 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子超薄膜の作製プロセス制御と構造・機能相関
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02204014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 剛夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 健一 東京工芸大学, 短期大学部, 教授 (60013091)
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Keywords | 導電性高分子 / LB膜 / トポケミカル電解重合 / 積層構造 / 電導度異方性 / 電位走査下電解重合 / デプスプロファイル分析 / 構造・機能相関 |
Research Abstract |
本研究では、電解重合によって電極被覆膜として得られ、特異な電気的・光学的物性を有する導電性高分子を、次世代の分子素子構築に欠かせない材料として捉え、その分子レベルの機能化とサブミクロンからナノメ-タ-レベルの薄膜構造制御を行なってきた。1.両親媒性ピロ-ル誘導体のLB膜の特異なトポケミカル電解重合により、導電制ポリピロ-ルLB膜をはじめて合成した。約60A^^°周期の導電性ポリピロ-ル主鎖層と絶縁性長鎖アルキル鎖層の交互積層構造をX線回折ならびに膜断面の電子顕微鏡観察により確認した。この積層構造を反映した10桁に及ぶ電導度異方性を観測した。さらに、長鎖アルキルオキシ基を有するアニリンの化学酸化重合によって得られる可溶性両親媒性ポリアニリンのLB膜、および長鎖アルキルアニオンをド-プした軽置換ポリピロ-ルのLB膜を作成し、4桁以上の電導度異方性と積層構造の確認を行なった。2.両親媒性ポリチオフェンLB膜を作製し、脱ド-プ状態におけるフォトルミネセンスを観測した。3.電気化学量論性の成り立つ電解重合に着目し、複数の導電性高分子モノマ-混合系において電極電位を走査しながら共重合することにより、膜厚方向の組成変調を任意に制御できる電位走査下電解重合法を開発した。本法をピロ-ル・チオフェン系に適用して、矩形波走査関数の印加により、数千A^^°の薄膜内に周期的な共重合組成変調を膜厚方向に実現した。得られた薄膜の各種デプスプロファイル分析により、本法の制御分解能が100A^^°レベルに達していることを確認した。以上、導電性高分子の材料物性を膜構造の制御によってコントロ-ルするメゾスコピック領域の薄膜形成法を開発した。次年度以降、定量的な構造・機能相関を得るために、膜構造の制御性の向上を計るとともに、電導度、フォトルミネセンス、吸収スペクトルの低温測定を体系的に行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Iyoda: "Diaphragmatic Chemical Polymerization of Pyrrole in the Nafion" Macromolecules. 23. 1972-1976 (1990)
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[Publications] T.Iyoda: "100AーOrder Depth Profile Control of PolypyrroleーPoly(3ーmethylthiophene) Composite Thin Film by Potentialーprogrammed Electropolymerization" J.Phys.Chem.95. (1991)
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[Publications] T.Shimidzu: "Functionalized Conducting Polymer Materials Toward Molecular Devece" Mol.Cryst.Liq.cryst.190. 75-83 (1990)
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[Publications] 清水 剛夫: "有機導電高分子超薄膜" 日本化学繊維研究所講演集. 47. 65-72 (1990)