1990 Fiscal Year Annual Research Report
法隆寺献納宝物中の金工品に関する基礎資料収集と保存科学的調査研究
Project/Area Number |
02301011
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
香取 忠彦 東京国立博物館, 学芸部, 法隆寺宝物室長 (50000336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 一敏 東京国立博物館, 学芸部, 金工室長 (20141989)
浅井 和春 東京国立博物館, 学芸部, 主任研究官 (60132700)
鷲塚 泰光 東京国立博物館, 学芸部, 企画課長 (80191740)
奥村 秀雄 東京国立博物館, 学芸部, 学芸部長 (60000345)
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Keywords | 法隆寺献納宝物 / 金工 / 潅頂幡 / 幡 / 透彫り / 仏具 / 荘厳具 |
Research Abstract |
平成2年度に実施した調査研究は、(1)合同調査、(2)保存科学的調査、(3)関連遺品の調査、(4)資料写真の作成・整備、(5)関係文献資料の収集・整理、(6)実験模作制作、(7)研究総括会議である。 (1)では法隆寺献納宝物58「潅頂幡」及び同60「金銅小幡」の調査を実施した。その際、「ダイヤル・シ-ト・ゲ-ジ」等の設備備品を当初の計画どおり購入し有効に用いた。(2)では(1)の研究対象に対する蛍光X線分析調査等の実施方法を検討した。(3)では奈良市,京都市,神戸市等へ旅行し、関連遺品調査を実施した。(4)では研究対象の詳細な資料写真を撮影し資料として整備した。(5)では研究対象及びその類品に関する研究書・研究論文を渉猟収集し整理した。(6)では実験模作部門の研究分担者を中心に、研究対象の模作制作の具体的方法に関して検討した。(7)では研究分担者全員により(1)〜(6)について討議を重ね、本年度の研究成果をまとめた。その結果、研究対象すなわち「潅頂幡」及び「小銅小幡」に関する詳細な基礎デ-タが集成され、その検討により、品質・形状・制作技法・法量・保存状態等これまでの不明点を明らかにすることができた。 本年度の研究は、当初、計画した研究目的、研究計画・方法に沿って順調に達成されている。また、工芸史部門・保存科学部門・実験模作部門の各部門内はもとより、各部門相互においてもきわめてスム-ズに連携して研究がすすめられた。 なお、本年度は以上の研究成果のうち「潅頂幡」について、「法隆寺献納宝物特別調査概報XI 潅頂幡」(東京国立博物館 平成3年3月31日発行)を刊行し公表した。
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