1991 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本の地域社会の構造分析ー「転換期」の産業・労働・地域ー
Project/Area Number |
02301022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 隆吉 名古屋大学, 文学部, 教授 (10061037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 滋 宇都宮大学, 教養部, 助教授 (80109735)
貝沼 洵 名古屋大学, 文学部, 助教授 (00097635)
板倉 達文 名古屋大学, 教養部, 教授 (10139389)
松田 昇 中京大学, 社会学部, 教授 (00030049)
帯刀 治 茨城大学, 人文学部, 教授 (20007751)
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Keywords | 東京圏 / 首都圏 / 国際化 / 情報化 / 技術革新 / 産業構造 / 地域社会 |
Research Abstract |
本研究の課題は、現在の資本主義の再編にともなう日本社会の「転換」の内実を個々の地域社会の変動から把握し、その地域社会の変動を地域類型にしたがって分析することである。本年度は、前年度に続き、各分担研究者が日本全国から選定した分担地域の調査を進め、各地域社会に生じている変動、矛盾、問題点を明らかにした。その調査を踏まえて理論的に以下のことを明らかにした。 1都市間の格差、すなわち、東京、地方中核都市、地方都市の間の格差が拡大していること、東京へのアクセスの差、交通通信体系のあり方が各地域社会の意味を規定していることである。そして、ある一定規模の人口がない地域は、いわゆるニュ-ビジネスへの転換は因難であり、労働力の流出によってますます衰退していくこと、その対抗策として広域化が構想されていることである。 2住民の定住条件を分析することが重要であり、現在その条件として雇用場所のみでは不十分であること、したがって、企業誘致によるまちづくりには限界があることである。そして、企業城下町などの生産中心の都市、まちのあり方は限界に達しており、テクノポリス指定地域などのまちづくりにとっても、アメニティ、住空間、遊空間が重要な意味を持っており、職場、住、遊空間とその三者をリンクをさせる交通体系が問題となることである。 3いわゆる国際化の問題はアジアの視点を入れて、ニ-ズ諸国との関連、外国人労働者の問題を分析することが重要であり、それは地域社会の構造を変容させている。
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