1990 Fiscal Year Annual Research Report
情報社会下における地域産業のネットワ-ク複合と将来動向
Project/Area Number |
02301032
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
国崎 敬一 松山大学, 人文学部, 教授 (90131721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 三和夫 城西大学, 経済学部, 助教授 (50157385)
村山 研一 信州大学, 人文学部, 助教授 (80115378)
川喜多 喬 法政大学, 経営学部, 教授 (30106736)
高田 滋 東北女子大学, 家政学部, 助教授 (50137478)
大内 雅利 明治薬科大学, 薬学部, 助教授 (60147915)
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Keywords | 地域産業 / 地場産業 / 社会的分業 / 多品種少量生産 / ジャストインタイム / 下請 |
Research Abstract |
1. 地域産業調査の候補地として計画であげた地域の中から、今回は新潟県燕市の金属洋食器産地と三条市の作業工具産地、そして広島市のマツダを中心とする自動車産業地域にしぼって調査研究することとした。 2. 燕市は周知のとおり輸出型の金属洋食器産地として発展してきている。(1)当産地は20年ほど前から、ハウスウェア部門へと事業拡大・転換している。旧来の金属洋食器企業が転換するのでなく、別の企業が「別働隊」として新分野を開拓したのである。この「別働隊」方式は産地転換の1つの主要なパタ-ンとみられる。(2)当産地は小企業の集合体である。産地では地域企業集団を生産上、販売上さまざまに統制する必要がある。当産地では、その役を協同組合が果たしている。その実態をさらに研究したい。 3. 三条市では作業工具卸売業協同組合が注目に値する。これは200社余りの小企業の集合体でありながら、日本全体の作業工具の卸売り機能をカバ-している。面白いのは、組合メンバ-間の相互売買会である。これによって、個々の小企業では対応できない全国の小売の多種多様な需要に対応している。 4. 広島のマツダおよび関連企業集団については、(1)多品種少量生産に対応するためのジャストインタイム方式の実際をかなり詳しく調査出来たのが、まず収穫であった。そのなかで、トヨタのカンバン方式とマツダのMRP(Material Requirement Planning)方式の違いが興味深かった。(2)マツダは1980年ころから下請政策の見直しをしている。工程別発注から部品別発注への転換、および下請を手足的存在からパ-トナ-的存在として育成していく方向への転換などである。これらの諸点を中心としてさらに研究を深めたい。
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