1991 Fiscal Year Annual Research Report
中世・近世初頭東国における市・町場および都市の総合的研究
Project/Area Number |
02301050
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
竹内 誠 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20020589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 学 名城大学, 法学部, 講師 (10183758)
保立 道久 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (70092327)
池上 裕子 成蹊大学, 文学部, 助教授 (70232171)
木村 茂光 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90134759)
佐藤 和彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80013275)
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Keywords | 市 / 町場 / 東国都市 / 江戸城 / 品川 / 川越 / 浅草 / 八王子 |
Research Abstract |
今年度の研究実施計画に基づき、(1)平泉柳御所跡と仙台城下、(2)武蔵國品川宿および品川港、(3)同國川越宿および新河岸川の調査・研究をすべて実施した。分担者のスケジュ-ルの関係から(2)・(3)が近接してしまったが、短期間のうちに陸寄りの川越と海沿いの品川を比較研究することができ、それなりに有意義であった。それぞれの成果の概要を示すと以下の通りである。 (1)近年の発掘の成果により、その全体像が判明しつつある柳御所跡の具体的な遺構と遺物について、現地調査官より説明をうけた。そしてその後、柳御所や中尊寺などを中核とする「辺境都市」平泉の都市構造・空間プランに調査と研究を行った。また、仙台城下については、東北大学所蔵の地下図の閲覧と、それを基にした説明をうけた。ともに中世および近世初頭の江戸の都市構造を考える上で有益であった。 (2)品川区立歴史館を中心に、中世品川港の構造と機能、および近世品川宿の立地と構造に関する調査・研究を行った。同館学芸員柘植氏・東京都立大学峰岸純夫氏に多大な協力を得た。(3)とも関連するが、宿の形成と寺社(特に時宗)との関係が重要な課題として認識された。 (3)は関東平野の河川交通上からも重要な位置を占める川越と新河岸川の調査・研究である。ここでも川越城下の立地と寺社および内陸における河川交通の構造的特質を理解することができた。 今年はこれ以外に、研究会を兼ねて八王子城と城下の調査を行った。研究分担者土井義夫氏の報告とそれに基づく現地調査が行なわれた。 各々特徴ある町場・都市の調査・研究をすることができ、最終年度の総括のための基礎作業は計画通り進んでいると評価できる。なお、もう一つの課題である「市・町場・街道」などに関する文献リストの草稿ができあがったことも、今年度の成果である。
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[Publications] 岩田 浩太郎: "天明期江戸米穀市場の存在形態(上)" 山形大学紀要(社会科学). 第21ー2. 25-74 (1991)
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[Publications] 秋山 伸一: "雨乞行事と近世村落ー武蔵国川越地方を中心にー" 三芳町立歴史民俗資料館研究紀要 くらしと歴史. 1. 13-28 (1991)
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[Publications] 土井 義夫: "地方史研究と中世城館ー武蔵八王子城を素材としてー" 中世の城と考古学. 217-239 (1991)