1990 Fiscal Year Annual Research Report
日本近代化の地域的展開に関する基礎的研究ー歴史地図の作成に向けてー
Project/Area Number |
02301104
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 英也 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (60091881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 千明 城西大学, 経済学部, 助教授 (20169254)
古田 悦造 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40134762)
大濱 徹也 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (40065199)
田中 圭一 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (10207087)
黒崎 千晴 八千代国際大学, 政治経済学部, 教授 (40134176)
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Keywords | 近代化の地域的展開 / 歴史地図 / 歴史地理 / 地域調査 |
Research Abstract |
この研究の目的は、日本の近代化の諸側面を総合的に、かつ地域的視点を重視して考察することにある。そのため、農業・鉱工業といった産業、宗教や教育水準といった文化、食生活や風俗や犯罪といった生活、交通や流通、都市化や人口動態といったテ-マに関して、統計を活用した広い地域にわたる調査と、より小さな地域における個別調査を並行して行うことを企図している。平成2年度には、申請時より研究分担者が増えたこともあって、研究打ち合わせ会を行い直し、別紙のごとく、分担テ-マの割り振りを行い、各人は統計資料の収集・吟味や地域調査のための予備調査を行った。 本部では、研究分担者から要望のあった統計資料のうち、利用頻度の高いと考えられる統計書(本邦商業会議所資料、地方巡察復命書、明治前期民情調査報告・偵察録、警察統計、近代日本商品流通史資料など)を購入し人口などの基礎資料の整理を行い、即座に研究分担者の利用に供せられるようにした。また、昭和初期と明治後期の郡別ベ-スマップなどを作成し、統計書を用いた広域的研究への準備を行った。個別的地域研究の対象地域は、研究分担者によって異なる。石井は関東、とくに秩父、黒崎は関西と関東、田中は新潟県北部と秩父、大濱は北海道、古田は山口県、小口は南西諸島八重山地方、川口は福島県会津地方、中西は兵庫県を中心的対象地域にして、フィ-ルドワ-クを行った。田中と石井の担当した秩父での予備調査では、別な目的もあって報告書を作成したが、その経験から、統計資料には信頼性に欠けるものもあり、量的研究のみならず、質的研究、つまり地域調査を、当所考えていたより重視することにした。地域調査によって、近代化の具体的プロセスのイメ-ジを明確にすることができるし、資料の有効性と限界を検討することもできるからである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 黒崎 千晴: "明治前期,千葉県の中心地について" 八千代国際大学紀要. 3. 1-34 (1990)
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[Publications] 田中 圭一・石井 英也編: "歴史地理学調査報告 第5号" 筑波大学歴史・人類学系,歴史地理学研究室, 142 (1991)