Research Abstract |
本研究は,教科教育全体の飛躍的な発展を計るため,教科教育における教育実践情報の体系的な集積と活用を可能にするデ-タベ-スの開発研究である(期間:平成2・3年度).本研究では,分担者以外に,多くの東学大各教科教育担当教官の協力が得られた.教科としては,国語,社会,理科,数学,音楽,体育,家庭,美術,英語が参加している.本年度は,以下の成果を得た.(1)デ-タベ-スの理念の明確化.本デ-タベ-スは,複雑化・高度化する社会への教育の対応を考慮して,人間全体の発達を明らかにし,より時代に適合した教育の展開に寄与すべきである.このため,各教科には各々その目的があるが,互いに他教科の方法や理念等を参照できるように,全教科で共用するデ-タベ-スとする.他教科が利用しない各教科の専門的デ-タの集積については,別途各教科毎のデ-タベ-スの構築が望ましい.また,デ-タは実践情報を主体とする.(2)本開発研究にとり,各教科のシソ-ラスの研究と教科共通のシソ-ラス構造の解明が最も重要であるとの共通見解の上に立って,暫定的な全教科統合型デ-タ検索方式を考案し,それを基に各教科別のシソ-ラスを作成した.その結果,教科間でかなり共通の構造が存在することが明かになりつつあり,統合シソ-ラス作成の可能性に見通しがついた.(3)機器については,当面主として光デスク・ファイル機とパソコンの利用を考える.(4)可能な教科でデ-タを整備した.例えば美術科では,美術教育関連の図書デ-タを整理した.(5)各教科シソ-ラス案や会議資料等をまとめて70頁の「資料集」を作成した.平成3年度(最終年度)では,統合シソ-ラスの決定とその有効性,デ-タの種類や内容,デ-タベ-ス・モデルの構築,デ-タベ-ス利用法,関連諸問題(著作権法,デ-タ入力・更新業務労力の算定,機器の維持・管理,一次資料の保管,発展の方策等)の研究と学会発表を行う予定である.
|