科学教育と技術教育との連係を深めた一貫教育体系の確立に関する研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02302093
• Research Institution: Ashiya University
• Principal Investigator: 朝井 英清 芦屋大学, 教育学部, 教授 (10030529)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 永岡 慶三 神戸大学, 教育学部, 助教授 (90127382) ; 城 仁士 神戸大学, 教育学部, 助教授 (40145214) ; 鈴木 寿雄 早稲田大学, 理工学部, 講師 (90114165) ; 平田 邦男 山梨大学, 教育学部, 教授 (70020469) ; 大木 道則 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40011407)
• Keywords: 科学教育 / 技術教育 / 科学技術教育 / 応用科学教育 / 総合一貫教育 / 分野系列 / 体系化 / 情報教育

Research Abstract

前年度までの研究成果に基づき、近年の科学・技術の相連動した進展の動向と、その産業や社会・家庭生活への普及の実態を認識し、その影響を直視するとき、今や科学教育と技術教育の乖離は許されないことを確認して、本邦の新旧学習指導要領、関係教科書及び科学と技術に関する内外の教育資料やこれらに関連した研究発表を調査した。
従来の理科教育各分野及び技術教育各領域を総合的に解析し、旧来の分野分類にこだわることなく、純粋科学が技術として機能するに至る経路を抽出して、A.(物質・材料)、B.(エネルギ-)、C.(情報・計測)、D.(生体・環境)、及びE.(システム)の5分野系列を立てた。そのうちEについは、A〜Dのそれぞれの系列の中にシステム的感覚が必要であるとともに、A〜D各項が相関連して機能するうえで、全系列の体系化をはかるために必要な意識である。
代表者・朝井はさきに従来の技術教育を見直し、現代ないし次の世紀に向けてのこの種の教育の指向するべき方向を示唆して関係学会誌に連載したが、分担者・城は情報教育の基本構造について論究する報文を発表するとともに、現行の技術教育の内容を上記分野系列に沿って分析して、その再編成のための問題点を指摘した。
科学教育学会が平成3年年会において、来世紀に向けての科学教育の在り方についてシンポジウムを催した際に、同学会長大木(研究分担者)はその基調講演において応用科学教育への指向を提起し、また代表者・朝井は“技術教育の基盤"と題して科学技術教育の総合体系化の必要性を力説した。さらに朝井は材料工作技術学習の中に科学的要素を実践的に導入する試みを、中学校現職教員の金属加工領域教育の中に採り入れて効果を上げた。

Research Products

• [Publications] 朝井 英清: "技術教育を見直す(I)〜(IV)" 日本産業技術教育学会誌(連載1〜4号). 32. 12 (1990)
• [Publications] 朝井 英清: "技術教育の基盤[シンポジウム:21世紀の科学技術と日本の教育の危機]" 日本科学教育学会年会論文集. 15. 317-322 (1991)
• [Publications] 弘川 篤司,城 仁士: "情報教育の基本構造に関する試案" 日本産業技術教育学会誌. 33. 75-81 (1991)
• [Publications] 陸 厦,城 仁士: "技術教育の新体系に関する研究" 日本産業技術教育学会誌.
• [Publications] 西光 悦司,朝井 英清: "科学的知識を実践的に導入した金属加工領域学習の一試行" 日本産業技術教育学会近畿支部第34回研究発表会論文集. 34. 129 (1991)
• [Publications] 鈴木 寿雄: "技術科設置についての審議(第1〜3回)" 日本産業技術教育学会誌(連載1,3,4号). 33. 12 (1991)