1990 Fiscal Year Annual Research Report
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02304004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 博嗣 九州大学, 理学部, 教授 (10027336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巌佐 庸 九州大学, 理学部, 助手 (70176535)
山村 則男 佐賀医科大学, 一般教育, 助教授 (70124815)
重定 南奈子 京都大学, 理学部, 助手 (70025443)
三村 昌泰 広島大学, 理学部, 教授 (50068128)
伊藤 嘉昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (50115531)
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Keywords | 地球環境問題 / 有性生殖の進化 / 時間空間的ヘテロジェネイテイ / システム工学 / 応用非線形解析 / 進化遺伝学 / 水産資源解析 / 大規模シミュレ-ション |
Research Abstract |
横浜での国際生態学会議のサテライトシンポジウムとして、1990年の8月31日から9月2日まで、理論生態学福岡国際シンポジウムを開いたが、これは本総合研究の第1回の班会議を兼ねた。発表数は、口演9、ポスタ-36、ビデオ2、特別講演1で、参加者は外国人が34人(+同伴者4人)、国内が約60人と盛会であった。S.A.Levin教授の特別講演では、生態学の歴史、基本概念、解決すべき問題、理論の役割、研究の方向付けなどが話された。地球環境問題などで早急に解決が迫られている諸問題に答える中で、基礎生態学の新しい課題が見つかるはずだという。他の講演では、有性生殖の進化をはじめとする進化生態学から、個体群動態、群集構造などさまざまなレベルの話題が話されたが、とくにスケ-ルの問題、時間空間的にヘテロジニアスな環境での進化や個体群動態の取扱い、などに議論が集中した。参加者・発表者の顔ぶれが、生態系モデラ-、進化生物学者、フィ-ルド生態学者など、大変多彩で、しかも和やかな雰囲気で夜遅くまで実によく議論が行われた。3日目最後の1時間には、Joel Cohen教授の司会で会場から若手研究者数人に数理生態学の展望を話させたのち、皆で議論した。 第2回目の班会議を、1991年2月18日から3日間、京都大学理学部共同セミナ-室にて行った。システム工学・数理科学からみての数理生物学のあり方(東)、集団遺伝学による人類進化(高畑)、応用非線形解析学から特異摂動解析法(三村)など、いくつかの分野を選んでじっくりと話を聞いた。これに加え、班員外の方に、水産資源解析学と数理生態学の関連(東京水産大学・原田泰志)、魚群の形成と動きのモデル(水産工学研究所・丹羽洋智)、大規模シシミュレ-ションによる共生と突然変異率の進化(神戸大教養・池上高志)などの話題を提供してもらった。朝早くから夕方遅くまで議論が白熱し、大変充実した研究会になった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Iwasa,Y.: "Optimal growth schedule of terrestrial plants." in “Biolog<ical approaches and evolut>___ーionary trands in plants" (S.Kawano ed.) Academic Press: N.Y.335-349 (1990)
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[Publications] Cuthill,I.,A.Kacelnik,J.R.Krebs,P.Haccou,and Y.Iwasa: "Starlings exploiting patches: the effect of recent experience on foraging decisions." <Animal Behaviour>___ー. 40. 625-640 (1990)
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[Publications] Iwasa,Y.: "Sex change evolution and cost of reproduction" <Behabioural Ecology>___ー.
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[Publications] Sasaki,A.and Y.Iwasa: "Optimal growth schedule of pathogens within a host: switching between lytic and latant cycles." <Theoretical Population Biology>___ー.
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[Publications] Pomiankowski,A.,Y.Iwasa and S.Nee: "The evolution of costly mate preference.I.Fisher and biased mutation." <Evolution>___ー.
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[Publications] Iwasa,Y.,A.Pomiankowski and S.Nee: "The evolution of costly preference.II.Handicap princeple." <Evolution>___ー.
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[Publications] 山岸 哲・巌佐 庸 訳: "『行動生態学入門(原著第2版)』(J.R.クレブスとN.B.デイビス著)" 蒼樹書房 (共訳), 454 (1991)
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[Publications] 巌佐 庸 監訳: "『性の不思議がわかる本』(P.J.グリ-ンウッド、アダムズ)(田町信雄・佐々木顕と共訳)" HBJ出版局, 200 (1991)