1991 Fiscal Year Annual Research Report
現代の社会階層と社会意識の変動に関する社会学的研究
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02401003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白倉 幸男 北海道大学, 文学部, 助教授 (20135643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
与謝野 有紀 北海道大学, 文学部, 助手 (00230673)
井上 寛 九州工業大学, 工学部, 助教授 (10037004)
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Keywords | 階層認知 / 辞書式公理 / 地位の非一貫性 / あいまい回答 / 知的柔軟性 / 自立心 / デ-タ構造 / 社会指標 |
Research Abstract |
本年度は、まず、理論的には社会階層論における新たな研究テ-マとして階層認知のメカニズムの研究を昨年に引続いて行なった。階層認知における辞書式順序公理に基づいたモデルでは、次元数やランク数が増大するほど自己の階層的な位置付けが分布の中心に集中して行くことを明らかにした。また、実証的な階層認知研究としては、階層認知のメカニズムが年齢や教育、そして本人の所属階層によって異なることなどの点について検討を行なった。それによれば、階層認知に対するDK回答の出現は、有意に年齢と結びついている。さらに、教育とも深い関わりが見られた。また、階層による行動や意識の違いを示すものとして、調査項目に対する回答者の反応が階層によって違うことを明らかにした。なかでも、あいまいな回答の発生メカニズムに対象者の階層上の位置が効果をもつことを明らかにした。この結果については研究会で発表を行なった。 社会階層とパ-ソナリティの関係については、社会階層上の位置と地位の非一貫性によって個人の自立心や知的柔軟性による効果が大きいことを示した。とりわけ、知的柔軟性に対しては地位の非一貫性もまた正の効果をもつことを示した。さらに、非一貫性が個人の自立心を促進させることも見出した。このことが意味しているのは、自立心の形成が知的柔軟性の増進にとって重要な要件だということである。この点では、コ-ンらが自立心がパ-ソナリティの諸側面の中でもっとも重要な位置を占めると指摘したことを裏付けることにもなる。また、これは、近刊の書籍の中の論文として集録される。これらの理論的実証的研究と平行して階層とパ-ソナリティの因果関係について調査デ-タのチェックト修正、および社会階層研究にふさわしい社会指標の開発をも含めたデ-タ構造の研究を行なった。また、その一部は上記の実証研究で採用した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 白倉 幸男: "社会階層とパ-ソナリティ" 直井優ほか編『日本社会のニュ-ウェ-ブ』東京大学出版会所収. (1992)
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[Publications] 白倉 幸男,与謝野 有紀: "階層認知と階層意識ー階層認知の数理モデル-" 理論と方法. 10. 37-54 (1991)