1991 Fiscal Year Annual Research Report
近世以前日本都市の形態・構造とその変容に関する歴史地理学的研究
Project/Area Number |
02401017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金田 章裕 京都大学, 文学部, 助教授 (60093233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 孝史 京都大学, 文学部, 助手 (10230400)
山田 誠 京都大学, 教養部, 助教授 (70086172)
青木 伸好 京都大学, 教養部, 教授 (30067631)
応地 利明 京都大学, 文学部, 教授 (60024212)
足利 健亮 京都大学, 教養部, 教授 (90026823)
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Keywords | 都市形態 / 都市構造 / 都城論 / 太宰府 / 福原京 / 和田京 / 安土 / 鎌倉 |
Research Abstract |
前年度にひき続き、近世以前の都市に関する研究成果・考古学的デ-タの収集と整理を行った。 一方本年度は、まず、日本中世の都市像に大きな影響を及ぼしているドイツ中世都市の専門家を招いて研究会を開催し、都市の諸概念の再検討を行った。さらに、代表的な中世都市である鎌倉について、現地において研究者全員による研究会を開催した。その際、日本中世史および鎌倉の発掘調査担当者を報告者として招き、研究成果の吸収をはかるとともに、学際的な討議を進めた。さらに、現地の踏査ならびにこれまでの研究に全く使用されていなかった明治初期の地籍図の検討をも行った。その結果、中世の鎌倉市街を方格プランとして考定する従来提示されていた考えに大きな疑問があり、それを否定的に考えざるを得ないことが判明した。 各分担研究課題についても報告書刊行に向けて研究を進めた。古代都市については、金田が8・9世紀の大宰府の形態・構造とその新しい研究成果がもたらす国府研究への影響について、足利は平安末の福原・和田京についての検討を行った。応地は、インド都成研究の視角から、アジア都成論の構築をめざして議論を展開した。これらの研究は中世都市にも関連するが、中近世都市としては足利が織田信長の都市計画を安土において保った。さらに明治前期の札幌の形態・規模・構造や同時期の小規模な中心集落についても山田と山崎が検討を加えた。成田はさらに、近・現代都市の構造研究から前近代都市のそれへの逆照射の形の研究を行った。
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