1990 Fiscal Year Annual Research Report
シンチレ-ションファイバ-箱を用いたハイペロンー核子相互作用の研究
Project/Area Number |
02402008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 憲一 京都大学, 理学部, 助教授 (70025493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 隆一 京都教育大学, 教育学部, 助手 (60163200)
延与 秀人 京都大学, 理学部, 助手 (30213606)
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
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Keywords | シンチレ-ションファイバ- / ハイペロン / Hダイバリオン / ダブルストレンジネス / ハイペロンー核子散乱 / 飛跡検出器 / ストレンジネス核物理 / ハイパ-核 |
Research Abstract |
この研究の目的は、シンチレ-ションファイバ-を用いた飛跡検出器を開発し、低エネルギ-ハイペロンと原子核・核子の相互作用を実験的に研究することである。今年度はこの研究費によって、この飛跡検出器開発の核になる装置として、大口径イメ-ジインテンシファイヤ(IIT)及びCCDからの飛跡の画像デ-タ処理装置として使用するため、VME規格のCPU及びいくつかの画像処理モジュ-ルを購入した。シンチレ-ションファイバ-箱は、500μmの正方断面のファイバ-のシ-トをXY直角方向に交互に並べてつめた、有効体積1lのものを製作し、先のIIT及びVMEモジュ-ル等と組み合わせて、3次元シンチレ-ションファイバ-飛跡検出器を完成させた。又同時にデ-タ処理用ソフトウェアの開発を行なった。阪大核物理研にて、低エネルギ-陽子線を用いて、飛程によるエネルギ-測定精度を調べ、65MeV陽子によるC核からの弾性、非弾性散乱がきれいに分離できることを確めるなど、検出器の基礎的な性質を調べた。 今年2月より、高エネルギ-研究所において、このようにして製作されたシンチレ-ションファイバ-検出器を用いて、Hダイバリオン探索を主目標とする実験(E224)を開始した。この実験はこの検出器本体をlive targetとして(K^-,K^+)反応を数多く(約50K event以上)測定しようというもので、Hダイバリオンやダブルハイパ-核の他、〓^-とC核,Pとの散乱を観測できると予想される。来年度は、このデ-タをもとに、〓^-P,〓^-Cの散乱,反応断面積等の物理量を決定するとともに、実際の経験をもとに,検出器の改良を行なっていきたいと考えている。
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