1990 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギ-消費型プレキャスト鉄筋コンクリ-ト造建築物の開発に関する研究
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02402042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青山 博之 東京大学, 工学部, 教授 (80010669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田才 晃 東京大学, 工学部, 助手 (40155057)
細川 洋治 東京大学, 工学部, 助手 (60011235)
小谷 俊介 東京大学, 工学部, 助教授 (30133101)
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Keywords | プレキャスト / 鉄筋コンクリ-ト造 / 耐震設計 / 実験的研究 / エネルギ-消費 / 変形能 / 降伏ヒンジ |
Research Abstract |
本年度は、エネルギ-消費型のプレキャスト鉄筋コンクリ-ト構造という新しい構造技術の開発を行なうための基礎的な研究を行なった。まず、プレキャスト鉄筋コンクリ-ト構造に関する既往の実験的な研究を調査したが、プレキャスト部材を接合する部位で積極的に地震時の塑性エネルギ-を消費させることを意図した新しい構造概念に該当する研究は見られず、プレストレスト・コンクリ-ト構造と鋼構造を組合せた構造実験に1例が見られたのみであった。 塑性エネルギ-消費能を改善する方法を検討するため、鉄筋コンクリ-トのコンクリ-トおよび鉄筋の力学特性を変化させ、単調増加する曲げ応力を受ける解析を行なった。コンクリ-トの特性を変えても著しい改善は見られないが、主筋に低強度鉄筋を使用すると小さな歪度(変形)で降伏が生じるので、塑性エネルギ-消費に有効であることがわかった。また、大きい体積の鉄筋が塑性変形するように、部材内で対角方向に付着を切った主筋を配筋する方法(X字形配筋)も検討したが、降伏前の弾性変形が大きくなる欠点があることがわかった。 そこで、曲げ応力に対する塑性エネルギ-消費を向上させるために低強度の主筋を用い、エネルギ-消費を劣化させる要因となるせん断破壊あるいは付着割裂破壊に対しては高強度コンクリ-トと高強度せん断補強筋を用いることが有効であると判断し、当初の研究計画を変更して、梁試験体4体と柱・梁接合部試験体2体を製作し、実験の準備を進めている。
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[Publications] 石川 裕次,青山 博之,小谷 俊介,田才 晃: "鉄筋コンクリ-ト断面のコンクリ-ト材料特性と断面の復元力特性" 日本建築学会 関東支部研究報告集. 73-76 (1991)
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[Publications] 小谷 俊介: "PCa構造の新しい発想" 建築雑誌. VoL.105. 156-156 (1990)