1990 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスタイルと健康度との関連性に関する予防医学的研究
Project/Area Number |
02404034
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (00188161)
丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567)
白川 太郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40196613)
日下 幸則 大阪大学, 医学部, 講師 (70135680)
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Keywords | 健康維持要因 / ストレス量 / エゴグラム / 精神的健康 / 姉妹染色分体交換(SCE) / Natural Killer活性 / IgE / リンパ球培養 |
Research Abstract |
1、(1)8つの健康維持要因(喫煙、飲酒、睡眠時間、朝食、間食、労働時間、身体運動、及びストレス量)の遵守、(2)発がん等の成人病発症に悪影響を与える陰性食品群(肉、てんぷら等)並びに、これら発症に予防的に働く食品群(緑黄野菜、果物等)の摂取状況、及び(3)性格(TypeA及びエゴグラムによる性格分けを含む)、を含む精神的健康状態、及び(4)身体的健康状況(不定愁訴)を包括的に把握できる質問用紙を設定し、これらを尺度化する手法を確立した。2、上記の総合的な質問用紙を某保健所における成人検診と某事業所における定期検診に適用し、それぞれ数百人の集団にて予備調査を行い、4つの質問群間の相関関係等の検討を通じ、質問用紙の検出力を検討した。3、人体内で生じた遺伝子変異の測定を、リンパ球培養により染色体DNAに生じた変異の鋭敏な指標として近年注目されている姉妹染色分体交換(SCE)法を用いて行った。4、人体内の免疫学的防護機能の測定は、 ^<51>Crでラベルしたリンパ系腫瘍細胞(K562)を標的細胞として各個人から採血したリンパ球のNatural Killer活性を測定して求めた。5、血清アレルギ-学的測定を各個人より採取した血清を用いて総IgE値及び、ダニ、花粉などの不特定アレルゲンに対する特異抗体を測定して行った。 今年度は、生活環境様態及び総合的健康度が問題とする慢性成人疾患発症に及ぼす影響を集団レベルで評価するための新しい予防医学上の手法を確立したが、これらの疾患に対する予防の具体的方法論並びに施策の確定に必要な基礎資料として、次年度以降の研究遂行に適用する。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 岡田 正喜,森本 兼曩: "UMUテストを用いた唾液の抗変異原作用の検討(第1報)ー唾液の濾過及び保存の影響の検討ー" 日本衛生学雑誌. 44. 1009-1013 (1989)
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[Publications] 垂水 公男,吉田 操,森本 兼曩: "運動習慣に関連する要因の検討" 松仁会医誌. 28. 193-197 (1989)
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[Publications] 森本 兼曩: "遺伝素因と染色体変異感受性" 保健の科学. 31. 38-45 (1989)
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[Publications] 日下 幸則,横山 邦彦,瀬良 好澄,白川 太郎,後藤 稠,森本 兼曩: "法定麈肺検診のための自記式呼吸器症状ー質問票の評価ー" 産業医学. 31. 415-420 (1989)
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[Publications] Morimoto,K.: "Lifeーstyle and genetic factors that determine the susceptibility to production of chromosome damage.in ed.by Cbe,G.,Natarojan,A.T.:Chromsomal aberrations Basic and applied aspects." Springer・Verlag. 287-301 (1990)
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[Publications] Morimoto,K.: "Cytogenetic indices for assessing mutagen exposure:Lifestyle and chromosome alteration.in ed.by FiserovaーBergerva,V.,Ogata,M.:Biological monitoring of exposure to industrial chemicals." American Conference of Governmental Industrial Hygienists. 171-175 (1990)
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[Publications] Kusaka,Y.,Nakano,Y.,Shirakawa,T.,Morimoto,K.: "Lymphocyte transformation with cobalt in hard metal asthma." Ind.Health. 27. 155-163 (1989)
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[Publications] Shirakawa,T.,Kusaka,Y.,Fujimura,N.,Goto,S.,Kato,M.,Heki,S.,Morimoto,K.: "Occupational Asthma from Cobalt Sensitivity in Workers Exposed to Hard Metal Dust" Chest. 95. 29-37 (1989)
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[Publications] Okayama,A.,Morimoto,K.: "A new HPLC flucrimetric method to monitor urinary deltaーaminclevulinic acid (ALAーU) levels in workers exposed to lead." Int.Arch.Occup.Environ.Health. 61. 297-312 (1989)
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[Publications] 森本 兼曩: "働く人の加齢と健康管理(1)「加齢」はなぜ今日的テ-マか" 労働衛生. 30(1). 34-38 (1989)
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[Publications] 森本 兼曩: "精神的健康度ーライフスタイルとストレスー" 予防医学. 19. 3-31 (1989)
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[Publications] 岡山 明,森本 兼曩: "分子遺伝疫学" 産業医学レビュ-. 1. 26-36 (1989)
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[Publications] 森本 兼曩,丸山 総一郎,夏目 誠,小川 康恭: "産業ストレス中央災害防止協会編:心とからだの健康づくり(THP)心理相談員養成研修テキスト" 労働省中央労働災害防止協会, (1990)
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[Publications] 丸山 総一郎,森本 兼曩: "ライフスタイルとQOL,QOL研究会編,Quality of LifeーQOLの目指すものー" リブロ社, (1990)
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[Publications] 森本 兼曩(監訳): "生活習慣と健康ーライフスタイルの科学" HBI出版局, 208 (1989)
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[Publications] 森本 兼曩: "環境変異原.遺伝疫学的接近 小泉明,村上正孝編:環境保健入門" 日本評論社, (1990)