1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02451003
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
薗田 稔 國學院大學, 文学部, 教授 (30052145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 潔 國學院大學, 日本文化研究所, 研究員
宇野 正人 江戸川学園女子短期大学, 人文学科, 助教授 (50183207)
茂木 栄 國學院大學, 日本文化研究所, 助教授 (70200326)
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Keywords | 祭礼 / 史的類型 / 国府 / 総社 / 宗教的世界観 |
Research Abstract |
祭礼形態の史的類型化のモデル作りを最終目的としてこの課題に取り組んでいる。始めに中央から地方都市へ流れて行った祭礼形態が国府の祭りであった。その後、京都の祇園祭りや江戸の神興祭りが流行し全国にひろがっていた。本研究は、さしあたってその中でも国府の祭礼、つまり国府総社の祭礼中心に調査研究を行なった。平安時代末期に(と一般的にはされているが、実際はもう少し早い時期かも知れない)日本全国の国府に国魂を祀る総社が作られた。この祭祀は地方国の国魂を祀る共通形式の祭祀形態であった可能性が高い。中央の祭祀の大伝統と地方の祭祀の小伝統の葛藤と融合の結果が今日全国に伝承されている総社祭礼に繋がっている。今日の各地の総社祭礼の実態調査を重ねることで国府総社祭礼の共通性と異質性を明らかにする事ができる。その共通性とは日本の古代国家の持っていた宗教的世界観であるし、異質性とは、地方ごとの特色ある民俗文化であった。 本年度は、古代国府の祭に源を発し、現在に伝承されている各地の国府祭(総社の祭)のコスモロジ-の普遍性と特殊性の調査研究のため、以下の総社の資料収集と祭礼の実態調査を行なった。 淡海(遠江)国魂神社、武蔵大国魂神社、尾張大国霊神社の祭礼の調査を完了。若狭総社神社、加賀石部神社、能登総社、丹波宗神社、但馬気多神社、因幡一宮、伯耆国庁裏神社、出雲六所神社、播磨射立兵主神社、紀伊府守神社、淡路十一明神神社、阿波八幡総社両神社、讃岐総社神社、花の窟神社、隠岐玉若酢神社、九州の国府の総社、印鑰神社などへ出かけ、資料収集をおこなった。本年が初年度であるために、まだ、分析的な視角は獲得できてはいない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 薗田 稔、茂木 栄、宇野 正人、島田 潔: "見付天神裸まつりー海と山との交歓(矢奈比売神社、遠江総社淡海国玉神社祭礼の観察)" 國學院大學日本文化研究所, 350 (1991)
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[Publications] 茂木 栄、島田 潔: "『国府宮裸まつり』構成の持続と変化" 國學院大學日本文化研究所, 120 (1991)