1990 Fiscal Year Annual Research Report
自然保護思想の展開過程並びに自然保護法制の比較研究
Project/Area Number |
02451068
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
牛山 積 早稲田大学, 法学部, 教授 (90063594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 雅昭 早稲田大学, 教育学部, 専任講師 (70195303)
直川 誠蔵 早稲田大学, 比較法研究所, 教授 (10063611)
矢頭 敏也 早稲田大学, 法学部, 教授 (30063283)
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Keywords | 自然保護 / 景観育成 / 環境権 / 自然享有権 / リゾ-ト法 / ペレストロイカ / 国の環境的健全化の緊急措置(ソ連) / ライヒ自然保護法 |
Research Abstract |
1.研究テ-マに関連する内外の図書資料の収集,実態調査(岩手県葛根田原生林の調査及び森林生態系保護地域設定に関するヒアリング,東伊豆地域におけるリゾ-ト開発の現状と地方公共団体の環境保全対策の調査,朝日連峰における林道開発・林業施業と自然保護行政の調査,その他栃木県・埼玉県・福島県等のリゾ-ト開発に関する調査)及び学会等における研究成果の発表を実行した. 2.研究成果の発表については,下記の通りである(裏面参照),研究・調査は途上にある. 比較研究の方法については,共同討議により,(1)自然保護の対象としての自然の素材(概念),(2)自然保護の思想(認識と価値観),(3)保護の手法(対象の所有形態,規制・復元・創造の法的メカニズム・費用負担・参加手続の保障),(4)中央政府の法律・行政,地方公共団体(地方政府)の条例・行政,及び自治規範を要素とする枠組を構成し,この仮説に基づいて研究を進めている. 3.日本の自然保護については,現時点の問題から出発して,遡及的に発展過程を辿る手法を採用している.法思想のレベルでは,人格権・環境権・自然享有権の位置づけ,法制度のレベルでは多元的構造の可能性について牛山が新たな知見を提示した.ドイツについては,1935年のライヒ自然保護法の成立に至る自然保護思想と法制度の歴史的発展を北山が解明し,現在に至るまでの歴史的研究の端緒を開いた.ソビエトについては,ペレストロイカと結合して登場した「国の環境的健全化の緊急措置に関するソ連最高ソビエト決定」(1989年)の分析を直川が行ない,歴史的に遡及するソ連邦の法制度の研究と共和国レベルの法制度の研究を今後の課題としている.イギリス及びアメリカを対象とする研究成果は1991年度にとりまとめの予定である.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 牛山 積: "自然と環境権・自然享有権" ブナ・原生林・自然を守る全国集会報告集(同集会実行委員会編). 84-87 (1991)
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[Publications] 牛山 積: "リゾ-ト法の問題点" 第10回日本環境会議「報告要旨ー21世紀の環境問題と今日の課題」. 67-68 (1991)
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[Publications] 直川 誠蔵: "ペレストロイカの現段階におけるソ連の環境汚染と対策" 比較法学(早稲田大学比較法研究所). 23巻2号. 1-24 (1990)
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[Publications] 直川 誠蔵: "1990年3月ソ連憲法改正と所有制問題" ソビエト研究所ビュレティン. 10号. 10-13 (1990)
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[Publications] 北山 雅昭: "ドイツにおける自然保護・景観育成の歴史的発展過程と法ーライヒ自然保護法Reichsnaturschutzgesetz von26.6.1935への道" 比較法学(早稲田大学比較法研究所). 23巻2号. 25-120 (1990)
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[Publications] 北山 雅昭: "総合保養地域整備法とリゾ-ト開発支援法制の批判的検討" ブナ・原生林・自然を守る全国集会報告集(同集会実行委員会編). 120-124 (1991)
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[Publications] 牛山 積: "『板橋郁夫先生還暦記念論文集』所収(論文標題 水質保全法の課題ー多元的構造の可能性 ペ-ジ1ー14)" 成文堂, (1991)