1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野呂 哲夫 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (30164750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 伸行 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (10030032)
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助手 (00030031)
細野 和彦 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (20028236)
森信 俊平 九州大学, 理学部, 教授 (50016078)
池上 栄胤 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (00016031)
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Keywords | スペクトログラフ / 焦点面検出器 / ドリフトチェンバ- / 高分解能測定 / 核子ー核子相互作用 / 非弾性散乱 |
Research Abstract |
本研究の実験技術面での目的は、高い位置分解能・均一な検出効率を有する焦点面検出器を開発し、レイトレ-スを行うことによって高分解能スペクトログラフの能力を最大限に活かした測定を行うことであった。その目的のために、縦ドリフト型ガスチェンバ-(VDC)を製作、先ずチェンバ-単体でのテストを行い、次いでAVFサイクトロン施設のスペクトログラフ「雷電」を用いてレイトレ-スのテストを行った。その結果、チェンバ-全域にわたって粒子検出効率が99.8%以上・製作上の機械的ばらつきをも考慮した位置分解能が0.3mm以下、角度分解能が2mr弱と予想を上回る性能の焦点面検出器系を作り上げることが出来た。また、VDC稼働電圧を低くする工夫、プラスチックシンチレ-タを用いた位置測定の併用等、安定な動作・バックグラウンドの低減という面でも高水準な性能を達成出来ている。 この焦点面検出器系を新設されたリングサイクロトロン施設のスペクトログラフ「大雷電」に設置、数度の総合テストの後に目的とする陽子非弾性散乱の測定を行った。陽子エネルギ-300MeVでの ^<12>C(p,p')では散乱角度2'という超前方での低バックグラウンド測定を達成し、広い角度範囲でのデ-タを得ている。本研究の最終目的である核子ー核子相互作用に関する情報としては、例えば、Ex=15.11MeV,12.71MeVの二つの1^+状態への微分断面積の比より引き出される[Vστ(q)/Vσ(q)]^2の値のq依存性に関して、LaveーFraneyによる有効相互作用とは異なる値が得られている等、理論の吟味を行う上で有用な知見が得られている。
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