1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 敏雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50013206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 徹雄 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30013220)
谷口 伸行 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (10217135)
松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 助教授 (60111473)
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Keywords | 数値流体力学 / 希薄流体 / モンテカルロ直接シミュレ-ション / 減圧CVD法 / 数値反応炉 / 等方散乱モデル / 分子動力学 / グラフィックス |
Research Abstract |
本研究はLSI製造過程の薄膜製造技術の一つである減圧CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法を主対象とし、ボルツマン方程式のモデル化手法であるモンテカルロ直接シミュレ-ション(DSMC)法にの確立を目的とした。また、その成果を数値反応炉に結び付ける上での課題について研究を進めた。まず、平成2年度にはDSMC法の基本的方法である剛体モデル・Null Colision(NC)法を用いて、3次元希薄気体流解析コ-ドを作成し、多数のウェハ-が挿入された減圧CVD反応炉内流動れ解析を行った。解析結果と実験デ-タの巨視的評価から、中間領域の希薄気体流解析において導入した数学モデルが定性的に有効性であることが確認されたが、異種分子の混合気体流や温度依存性などを正確に予測するには上記解析法は不十分であった。そこで平成3年度においては、分子間相互作用のより正確にモデル化するLennardーJonesポテンシャルを導入した。その際、衝突散乱角しきい値(Cutoff Angle)の設定値が解析結果に大きな影響をうけるという数値解析上の問題点が指摘された。そこでCVD内流れが粘性に支配される点に着目し、粘性断面積を等方散乱に還元した新しいモデル化を提案した。1次元衝撃波管を対象とした検証計算では、新モデルがLennardーJonesポテンシャルをよく再現し、より効率のよい解析手法を与えることを示した。他の数値解析上の課題としては、分子動力学法(MD法)により表面凝着現象の解明を試みたが、希薄気体解析における成膜上の境界条件に関する新しい知見を得るには至らなかった。また、数値反応炉の実用上の課題となる、複雑形状への適用と解析結果の表示に関しては、常圧下の非圧縮流れ解析法をもとに検討し、領域分割アルゴリズムの研究、グラッフィクス・コンピュ-タにおける表示ツ-ルの開発を行った。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 小林 敏雄: "ミクロ構造と流れ" 電気学会全国大会講演論文集. 6. S8 15-16 (1990)
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[Publications] Toshio Kobayashi: "ParticleーImaging Velocimetry・Computational Fluid Dynamics (Advanced echologies for Flow Visualization and Date Processing)" Science & Technology in Japan. 9-34 49-52 (1990)
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[Publications] 小林 敏雄: "PIVの機能拡大に関する研究" 可視化情報. 10 Suppl.1. 163-166 (1990)
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[Publications] Yoshihisa Shimoyama: "An Numerical Study of Turbulent Flow around a Spool in a Directional Valve" Proc.3rd Bath Int.Fluid Power Workshop. (1990)
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[Publications] Youhei Morinishi: "Large Eddy Simulation of Backward Facing Step Flow" Engg.Turbulence Modelling and Measurements. 279-286 (1990)
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[Publications] Young Ho Lee: "Velocity Measurements in 3ーD Cavity Flows by PIV" Proc.2nd KSMEーJSME Fluids Engg.Conf.2. 236-239 (1990)
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[Publications] 景井 高男: "一般座標系における格子の適合性の表示" 可視化情報. 10 Suppl.2. 125-127 (1990)
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[Publications] 金森 久幸: "円筒型撹拌槽内の流れの可視化と解析" 可視化情報. 10 Suppl.2. 239-244 (1990)
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[Publications] 明 賢国: "正方形断面管内の発達する乱流の数値解析" 日本機械学会論文集B. 56. 3680-3687 (1990)
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[Publications] 松本 裕昭: "LennardーJonesポテンシャルによる希薄気体衝撃波の数値シミュレ-ション" 第4回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 75-78 (1990)
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[Publications] 大橋 秀雄: "二相流回流水槽の特性" 日本機械学会論文集B. 56. 274-279 (1990)
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[Publications] 松本 洋一郎: "気泡流中における圧力波の伝播" 日本機械学会論文集B. 56. 1237-1243 (1990)
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[Publications] Hideo Ohashi: "Air/water TwoーPhase Flow Test Tunnel for Airfoil Studies" Experiments in Fluids. 8. 249-256 (1990)
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[Publications] Nobuyuki Taniguchi: "Construction of a FlowーSimulating Method with Finite Volume Based on a Voronoi Diagram" JSME International Journal. 34. 18-23 (1991)
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[Publications] 佐賀 徹雄: "流れの可視化における流体計測と画像処理" 計測と制御. 29. 19-26 (1990)