1990 Fiscal Year Annual Research Report
生物の筋肉をモデルとした集積型微小静電アクチュエ-タの開発
Project/Area Number |
02452133
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
壁井 信之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50096583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 喜一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063469)
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Keywords | 筋肉 / 静電気 / 静電モ-タ / アクチュエ-タ / リニアモ-タ / 誘電体 / マイクロマシン / 微細加工 |
Research Abstract |
本研究ではこの筋収縮の原理を応用し、無機物質からなるバイオアクチュエ-タとしての集積型微小静電アクチュエ-タを,現在の超微細加工技術を用いて開発し,人工筋肉を実現することを目的とした。 本年度は研究の要となるアクチュエ-タ構成要素の加工限界と,その対応策について試作やコンピュ-タシミュレ-ションを通して検討を行った.その結果を以下に示す.(1)スライダをセラミックスで製作しているため,現状の技術では平面度を保ちながら十分薄くすることができなかった.このため電極間距離が小さくならず,それにともなって電界分布の関係から電極幅,電極間隔を小さくできないことが分かった.したがって現状の技術では,多くの電極を配置することが困難であるため,アクチュエ-タは多電極間をスライダが滑っていく方式でなく,一つの電極の間だけを移動する方式に変更した.(2)現状の加工精度の限界により,空気中では十分な推力が得られないことが確認されたためギャップ充填剤を用いて推力を増強させることにした.(3)原理モデルのような誘電体と非誘電体を交互に配置したスライダは加工が困難なため,セラミックス板の片側に溝を設けることによって,等価的に非誘電体を置いた状態とする方法を開発した.(4)コンピュ-タシミュレ-ションにより各状態での電位分布を求めて,集積度を高めるステ-タの電極の配列方法を検討した.この結果通常の倍の密度で電極を配置することが可能となった.(5)アクチュエ-タは発生推力が摩擦により消費され,実際の出力はきわめて小さくなるという問題があった.これは最近開発されだしたマイクロマシンの静電アクチュエ-タでも大きな障壁となっていた.我々はギャップ充填剤を潤滑剤として用いる方法を検討し,良好な結果が得られた.
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Research Products
(1 results)