最終強度解析に基づく板構造の信頼性評価に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02452184
• Research Institution: Osaka Prefecture University
• Principal Investigator: 岡田 博雄 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081398)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 北浦 堅一 大阪府立大学, 工学部, 助手 (00081399) ; 岡村 与一郎 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (80081397) ; 室津 義定 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081386)
• Keywords: 立体薄板モデル / 線形化破損条件式 / 塑性節点法 / 構造破損モ-ド / 破損確率 / 構造信頼性 / 座屈・圧壊 / 分岐限界法

Research Abstract

本研究は、平板で構成された板構造の複合静荷重下での座屈および塑性崩壊等の最終強度解析に基づく信頼性評価のための基礎的研究であり、本年度における成果は次の通りである。
1.解析にあたって、有限要素として最も基本的な一定歪膜要素を使用し、板構造を立体膜要素構造にモデル化した。
2.膜要素の塑性化条件式として、トレスカの降伏条件式に加えて座屈・圧壊を考慮した線形化破損条件式を用いることにより、より一般的な最終強度条件式を開発・提案した。
3.従来の塑性節点法と有限要素法を組合せた解析法により,最終崩壊モ-ドとその安全余裕(構造の限界状態基準式)を求めるとともに、分岐限界法を用いて確率的に卓越する主要崩壊モ-ドを自動選定し、その生起確率を計算する立体薄板構造の信頼性評価システムを開発した。
4.本システムを、まず基礎的な立体薄板(六角中空梁)構造に適用し、曲げおよび剪断荷重条件下で数値計算を行った。圧縮応力を受ける要素については座屈・圧壊を考慮した場合のものの方が,考慮しない場合のものより構造全体の信頼性も低下すること等妥当な結果を得た。
5.また、60000DWTタンカ-の船体主構造を想定した、隔壁付箱型梁構造に適用し、縦曲げ荷重条件(ホギング状態)下で計算を行った。本解析例では、座屈圧壊を考慮しているため、船底部および船側部の取合部の要素の破損よりなる崩壊モ-ドが卓越していること等が明らかになった。(第10回海洋工学シンポジウム論文集参照)
6.今後は、バルクキャリヤ-等についても計算を行い,船種による主要破損モ-ドやその生起確率の相違等を検討していく予定である。
7.また,き裂を含む脆性板要素の取扱いについても検討を行い,構造全体の破損に及ぼす影響を調べる予定である。

Research Products

• [Publications] 岡田 博雄,室津 義定,ほか2名: "塑性節点法による立体薄板構造の最終崩壊モ-ドの生成とそれに基づく信頼性評価の一方法" 第10回海洋工学シンポジウム(日本造船学会). 207-214 (1991)
• [Publications] 岡田 博雄,室津 義定,ほか2名: "立体薄板モデルによる船体主構造の最終崩壊モ-ドの生成とそれに基づく信頼性評価の一方法" 日本造船学会論文集. (1991)