1990 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会の痴呆性老人ケア及びタ-ミナルシステムの構築と施設整備に関する研究
Project/Area Number |
02452222
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 啓俊 東北大学, 工学部・建築学科, 教授 (30212335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯田 善郎 東北大学, 工学部・建築学科, 助手 (10166861)
菅野 實 東北大学, 工学部・建築学科, 助教授 (10005366)
|
Keywords | 高齢者ケア / 痴呆性老人ケア / タ-ミナルケア / ホスピスケア / 呼吸器系がん / ケアシステム |
Research Abstract |
(1)痴呆老人ケアシステムの構築 重度痴呆老人の行動特性について、A県立精神病院において、大空間における建築的条件を変えることで、これら老人がどのような対応をするのかを10日間に亘って観察調査をした。その結果重度痴呆老人は特定の領域を好んで使用すること、家具の配置によってその対応が変動することなどが判明した。 さらに中等症、軽症痴呆老人150人について、老人性痴呆と、脳血管性痴呆に区分して、運動機能、精神機能についてケア担当者への記入依頼によって調査した。それによると老年痴呆では歩行自立の割合が高いため、問題行動の発生の度合が低くないこと、脳血管性痴呆では歩行自立の割合が低いが、問題行動よりも日常生活のケア-の必要度が高いことなど、さらに施設条件によっては昼夜逆転の現象がより高くみられるようになることなどが判った。このほか痴呆老人ケアシステムについては、先進地域である大阪府、松原市のとりくみを調査した。 (2)タ-ミナルケアシステムの構築 地域中核の高機能一般病院を全国から7施設(335床〜685床)を調査対象として選定し、がん患者の実数と、そのうちのタ-ミナルケア該当の患者数とを把握した。それらの構成割合が前者で全患者数に対して15.5〜49.7%に及んでいること、さらに後者でがん患者に対して8.4〜21.1%に及んでいて、その成立性が高いことが判明した。さらにタ-ミナルケア患者が多床室に他の患者と共に在室しているケ-スが少なくないことが判明した。 またがん患者のうち、呼吸器系がん患者についてのケアの特性について国立がんセンタ-において調査し、消化器系がん患者との差異を明確にして、建築計画上の指針を得た。
|