1991 Fiscal Year Annual Research Report
導波現象を利用する分光分析法の高感度化とその天然水分析への応用
Project/Area Number |
02453033
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Research Institution | Hroshima University |
Principal Investigator |
藤原 祺多夫 広島大学, 総合科学部, 教授 (90090521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 光司 広島大学, 総合科学部, 講師 (70127695)
坪田 博行 広島大学, 総合科学部, 教授 (70013555)
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Keywords | 導波現象 / 光ファイバ- / 環境試料 / 磁気複屈性 / マルコフの鎖 / 蛍光光度法 / 吸光光度法 / 屈折率 |
Research Abstract |
導波現象は、低屈折率の媒体に取り囲まれた高屈折率のコア中を光などが全反射しながら伝播する現象である。本研究では、石英やパイレックスのキャピラリ-に、これ等よりも高屈折率の溶媒を注入し、液体をコアとする光ファイバ-とし、吸光光度法や蛍光光度法のセルとした場合の評価を行った.本年度は蛍光法を中心にこの方式の検討を行った。すでにキャピラリ-セルの一端から励起光を入射し、反対側の一端から蛍光を測定するシステムについて、セルの長さ、蛍光強度と蛍光体濃度の関係等を検討したが、この系では蛍光の自己吸収や励起光の容媒による減衰効果が複雑で、使用に多くの問題があることがわかった.そこで昨年度にひき続き蛍光をセル側面から測定する方法について、定量的考察を行った。.特にキャピラリ-セル内における光の経路とセルから発生する蛍光強度の関係を、統計学的手法であるマルコフの鎖を用いて理論的に説明する事ができた。さらにこの光学配置について、フロ-セルを磁極間に置いて外部磁場の蛍光に与える影響を調べた。試料溶液は蛍光色素とクグネタイトコロイドを混合・希釈したものを用いた。この溶液に磁場を印加すると、蛍光強度が変化するが、この変化の大きさは蛍光色素の種類によっても変わることを見い出した。今後この系についてはさらに詳細に検討を行っていく予定である。一方昨年度購入したNaーYAGレ-ザ-については、この第3高調波を海水ヘ照射することによって発生する水和電子を測定するシステムを、光ファイバ-を活用して製作した。この結果陸起源性発蛍光性有機物が、水和電子を発生していることを明かにすることができた。またこの過程が海水中の過酸化水素の発生に先行して太陽光により引きおこされる事を説明することができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Fujiwara: "Flame spectrophotometric determination of borate based on diborane generation." Anal.Chim.Acta. 246. 413-419 (1991)
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[Publications] K.Fujiwara: "Application of waveguiding in solutions for absorption and fluorescence spectrometry." Trends in Anal.Chem.10. 184-190 (1991)
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[Publications] 藤原 祺多夫: "エバネッセント波を用いる局所蛍光分析" ぶんせき. 370-372 (1991)
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[Publications] K.Fujiwara: "Sideーview type waveguide cells for fluorometry as a detector of flow injection analysis of lead." Appl.Spectroscopy. 46. (1992)
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[Publications] H.Tsubota: "Transport of heavy metals into and out of the seto Inland Sea,Japan." Geochem.J.24. 283-293 (1990)
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[Publications] K.Hayase: "Photolysis of copper(II)ーamino acid comlexes in water." Environ.Sci.Technol.25. 1273-1279 (1991)
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[Publications] 藤原 祺多夫: "第4版実験化学講座第15巻「分析」" 丸善, 509 (1991)