1992 Fiscal Year Annual Research Report
硫化鉱物中の元素の拡散実験およびその鉱石組織解析への応用
Project/Area Number |
02453046
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水田 敏夫 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (80094051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 大三 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (30193361)
石川 洋平 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (00113887)
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Keywords | 硫化鉱物 / 閃亜鉛鉱 / 元素の拡散 / イオンマイクロプローブ / 黒鉱鉱床 / 流体包有物 / 鉱石組織 / 硫黄同位体 |
Research Abstract |
硫化鉱物の拡散に関する本研究は次の目的 A)トレーサー法およびイオンマイクロプロープ(SIMS)による硫化鉱物(閃亜鉛鉱,黄鉄鉱,黄銅鉱,硫砒鉄鉱)中の鉄,硫黄の拡散定数を求め,これらの鉱物のもつ物理的,結晶化学的意味を検討,B)さらに天然の鉱石中に認められる種種の組織を元素の拡散性から考察する,これらの二つのことに主眼をおいた. 硫化鉱物の加熱拡散定数測定を広い温度範囲にわたり行った.拡散定数測定において,閃亜鉛拡は拡散定数の測定が順調におこなわれたが,他の硫化鉱物についての拡散研究とくに黄鉄鉱,黄銅鉱,硫砒鉄鉱の加熱実験では鉱物表面からの蒸発が激しく正確な深さ方向への拡散プロファイルを得ることができなかった.閃亜鉛鉱中の鉄および硫黄の拡散定数を測定,拡散の活性化エネルギー算出し,求めた拡散データを鉱物結晶化学的に検討した論文を投稿中である. 一方,天然の鉱床,特に黒鉱鉱床の鉱石中に認められる種種の組織解析を行ないつつある,東北地方に分布する黒鉱鉱床および接触交代鉱床の地質調査およびサンプリングを行なった.更に試料を鏡下で観察,鉱石組織の形成とその変化の解析を行なった.松峰黒鉱鉱床産の硫化鉱物の鉱石組織や鉱石内での組成ゾーニングの形成速度の検討を進めた.さらに,砥川安山岩溶岩中の気泡の形態と分布,広島県矢野勝光山西山東鉱床のパイロフィライト鉱化作用とパイロフィライト結晶のサイズ変化ベントナイト鉱床中のベントナイトおよびクリストバライトの組織とキネティックな問題点を検討し,論文にまとめた.Odessa隕鉄に見られる微細構造の生成過程,層状金属鉱床に関連する火成岩類の地球化学的特徴ならびにそれらに関連して秋田市東部仁別地域に分布する新第三紀玄武岩類の化学組成特性と変質作用について研究し,とくに玄武岩類溶岩中の気泡の形態と分布について予察的検討を進めている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 水田 敏夫・石山 大三・阿部 康則・玉井 忠治: "秋田市東部仁別地域に分布する新第三紀玄武岩類の化学組成特性と変質作用" 京大・原子炉実実験所報告,. 366. 156-159 (1992)
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[Publications] Ishiyama,D.,Matsubaya,O,.and Ito,M.: "Kinetic aspects of formation of Japanese benthonite deposits." In Kharaka,Y.K.,and Maest,A.S.(eds.) Water-rock Interaction. 2. 1507-1510 (1992)
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[Publications] 野見山 邦洋・石山 大三・水田 敏夫・石川 洋平: "岩手県宮古市岩体周縁部に分布するドロマイト質石灰岩の接触変成作用" 秋田大学鉱山学部地下資源 研究所報告. 58. 1-16 (1993)