1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02453121
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
高井 康雄 東京農業大学, 農学部, 教授 (40011796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
吉羽 雅昭 東京農業大学, 農学部, 助教授 (20078190)
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Keywords | 水田 / 水稲栽培 / メタン発生 / 有機物資材 / 炭素同位体比 |
Research Abstract |
本研究は,水稲栽培が湛水下水田土壌中のメタン発生にどのような影響を与えるか,稲わら・牛糞堆肥などの有機物資材投与がメタン発生にどのような影響を与えるか,土壌から発生する気泡メタンの炭素同位体比を測定して水田圃場中のメタンの発生経路を解析することを目的としている。その結果を要約すると次の如くである。 1)水稲を経由したメタン発生量は,田面からの放出量1〜4倍であった。水田からのメタン発生量を概算すると,有機物無施用区に対して,稲わら施用区は約2倍,牛糞堆肥区は1.0〜1.4倍であって,メタン発生量は施用有機物によって著しく異なった。水田土壌中のメタン保持量は、湛水後急激に増加するが,湛水期間後半に減少に転じた。水管理として,間断湛水処理を検討したが,本処理は湛水常時処理に比べて土壌の酸化還元電位を高めたが,メタン発生を著しく抑制するには至らなかった。 2)注射筒内湛水土壌インキュベーション実験で,メタンの生成経路中(1)CH_3COOH→CH_4+CO_2の経路ではδ^<13>C値の高いメタンが,(2)CO_2+4H_2A→CH_4+2H_2O+4Aの経路ではδ^<13>C値の低いメタンが生成することを明らかにし,この成果に基き水田中の嫌気層から得られる気泡メタンの同位体比分析により両経路の比率を見積ることが可能になった。 3)日本全国の水田から得られた気泡メタンの濃度とS^<13>Cの分析値から,約40%のメタンが(1)の酢酸メチル基転移反応に由来し,残りが(2)の炭酸還元反応であることを示した。タイ国の酸性塩硫塩土壌の水田では,(1)の経路のメタン生成寄与率の42%であって日本の水田に近かった。 4)日本の水田圃場中のメタン発生経路の研究では,水稲栽培区で非栽培区に比べて(1)の酢酸過程力より活発であることを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 吉羽 雅昭・安並 勲・田口 貴穂・武長 宏・麻生 昇平・高井 康雄: "水田からのメタン発生に及ぼす有機物の影響" 日本土壌肥料学会1991年度講演要旨. 11-19 (1991)
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[Publications] 高井 康雄: "陸域生態系におけるメタン発酵と地球環境問題" 東京農大農学集報. 37. 89-105 (1992)
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[Publications] Sigimoto,A.,Xu Hong,E.Wada.: "Rapid and simple measurement of carbon isotope ratio of bubble methane using GC/C/IRMS." Mass Spectroscopy. 39. 261-266 (1991)
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[Publications] Wada,E.: "Gas exchange in ecosyspems:Framework and case studies" Jpn.J.Limnol.52. 263-281 (1991)