1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02453132
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
筬島 豊 九州大学, 農学部, 教授 (00038184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 満哉 九州大学, 農学部, 助教授 (70149871)
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Keywords | 香気成分 / 食品容器 / 内面材 / 収着 / 電子線照射 |
Research Abstract |
1)エチレンー酢酸ビニル共重合(EVA)フィルムに対して20Mradまでの電子線を照射したところ、液状食品と対応付けられる水溶液系では分子サイズの大きい化合物ほど、また極性の低いものほど顕著に収着が抑制された。それに対して、気相系測定では極性の高い化合物ほど顕著な抑制効果を示し、オクタノ-ルでは未処理フィルムの45%まで減少した。すなわち、電子線照射EVAフィルムを内面材として用いた場合、食品形態によって香気成分に対する収着抑制効果の発現機構が異なることを明かにした。 2)照射EVAフィルムのキャラクタリゼ-ションを行った。この結果、EVAフィルム内の非結晶領域では主としてアセトキシ基末端のメチレン基と主鎖との間で架橋が起こっていることを、また結晶領域ではエチレン鎖間で切断反応が起こっていることを明かにした。さらに、切断・架橋比は1.09と1以上であったことから、電子線照射EVAフィルムは切断優先型ポリマ-であることが判明した。ゲルの生成は酢酸ビニル含量の増大とともに増加し、15%EVAー5Mrad照射フィルムでは架橋密度55.8%であった。伸び率、ヒ-トシ-ル強度は照射により低下し、破断強度は逆に増大したが、その程度は僅かであり、加工特性を損なうものではなかった。 3)ポリエチレンの中で唯一長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムに対して同様に電子線照射を行った。気相系測定では、最も分子量分布の大きい(Mw/Mn=9.0)LDPEフィルムで最大12%エチルヘキサノエ-トの収着が抑制され、さらに高極性化合物ほど抑制効果が高いことが判明した。一方、水溶液系では抑制効果発現は化合物の極性の程度に依存しており、炭素数8の化合物ではオクタン(22%)、エチルヘキサノエ-トに対してのみ抑制効果を示すことが明かとなり、EVAフィルムの場合とは極めて異なる挙動を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Matsui,S.Mizumoto,A.Kotani,H.Imakura,M.Shimoda,Y.Osajima: "Depression of Sorption of Volatile Compounds into EVA Film by Electron Beam Irradiation." Journal of the Science of Food and Agriculture. 50. 507-515 (1990)
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[Publications] T.Matsui,M.Inoue,M.Shimoda,Y.Osajima: "Sorption of Volatile Compounds into Electron Beam Irradiated EVA Film in the Vapour Phase." Journal of the Science of Food and Agriculture. 54. 127-135 (1991)
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[Publications] T.Matsui,M.Shimoda,Y.Osajima: "Mechanical Changes of Electron Beam Irradiated Ethyleneーvinyl Acetate Copolymer(EVA)Film(I)" Polymer International. 25. (1992)
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[Publications] T.Matsui,M.Shimoda,Y.Osajima: "Structural Analysis of Electron Beam Irradiated Ethyleneーvinyl Acetate Copolymer(EVA)Film(II)" Polymer International. 25. (1992)